(住込み浪人[その150]の続き)
「(アイツら、漢字の書き取りをしているんだ。そうだ、ボクは知っている)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、OK牧場大学の『住込み浪人』用の『寮』の共同台所で、自分以外の『住込み浪人』二人が、OK牧場大学の1年生の男に漢字の書き取りの指導を受けていることを、何故か、自分が知っていることに気付いたのだ。
しかし……..
「君たち、こんな漢字も書けないの?」
と、『住込み浪人』二人が叱られていた。
「(あれ?)」
déjà-vu(デジャヴュ)感が、遠のいていった。
「『インモー』って、分らない?書けないの?」
習っている漢字が違ったのだ。
「(ええー!『インモー』だって!?.....『オコタル』だったはずだ。それに……)」
それに、『住込み浪人』二人を叱っていたのは、女であったのだ。
「あれ、誰かいるの?」
指導している女が、振り向きながら云った。
(続く)
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