(住込み浪人[その155]の続き)
「ああ、『インモー』…..」
頭の中に聞こえてきた女性アイドル歌手が、そう歌ったのだ。少なくとも『住込み浪人』ビエール・トンミー青年には、そう聞こえたのだ。
「(ええー!どうしてだ?そんな歌詞ではなかったぞ!んぐっ!)」
そうだ。その女性アイドル歌手のその歌にそんな歌詞はなかった。実際には、
「アーイノー…..」
という歌詞であったが、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の頭には、いや股間には、
「ああ、『インモー』…..」
と聞こえていたのだ。
「(おかしい!おかしいぞ、なんだか)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、眼を閉じ、頭を振った。
「君いー、悪いんだけど、先に進んでくれない」
男子学生の声に、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、我に返り、閉じていた目を開けた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿