2019年7月14日日曜日

住込み浪人[その147]







「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」

『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、自らの股間を『んぐっ!』の極みにまで達せさせる言葉を発した『サトミツ』の口を凝視した。EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』を収録中のスタジオCにいる誰もが、眼を『サトミツ』に向けた。

「(サ、サ、サ、『サトミツ』!......君は…..)」

その思いは、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年だけのものではなかった。

「(き、き、君は、なんって言葉を吐いたんだあ!)」

スタジオCにいる誰もが、そう思った。いや、ただ一人、司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーだけは、冷静であった。

「おやあ、皆さん、何か驚いているようですねえ。『サトミツ』の回答が聞こえなかったのかなあ?」



と、ナンカイノー・アメカイノーは、視線をスタジオ中に巡らした。

「では、確認の為、『サトミツ』にもう一度、回答を云ってもらいましょう!『サトミツ』、お願いしまーす!」

「え?」

一瞬の躊躇を見せたものの、『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、本当の最終問題の回答をあらためて叫んだ。


(続く)




0 件のコメント:

コメントを投稿