(住込み浪人[その146]の続き)
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、自らの股間を『んぐっ!』の極みにまで達せさせる言葉を発した『サトミツ』の口を凝視した。EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』を収録中のスタジオCにいる誰もが、眼を『サトミツ』に向けた。
「(サ、サ、サ、『サトミツ』!......君は…..)」
その思いは、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年だけのものではなかった。
「(き、き、君は、なんって言葉を吐いたんだあ!)」
スタジオCにいる誰もが、そう思った。いや、ただ一人、司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーだけは、冷静であった。
「おやあ、皆さん、何か驚いているようですねえ。『サトミツ』の回答が聞こえなかったのかなあ?」
と、ナンカイノー・アメカイノーは、視線をスタジオ中に巡らした。
「では、確認の為、『サトミツ』にもう一度、回答を云ってもらいましょう!『サトミツ』、お願いしまーす!」
「え?」
一瞬の躊躇を見せたものの、『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、本当の最終問題の回答をあらためて叫んだ。
(続く)
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