(住込み浪人[その159]の続き)
「おいおい!『んぐっ!』だか『うふん』だか知らないけど、早くしてくれよ!もうカレー出てんだろ!」
OK牧場大学の学生食堂のカレー担当のオバチャンに、カウンターでカレーを渡されたものの、その場で固まったままとなっている『住込み浪人』ビエール・トンミー青年を、列のすぐ後ろの男子学生が、叱り飛ばした。
「は!...あ、は、はい…….」
トレイに乗ったカレーを持つ手を震わせながら、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、カレーのカウンターを離れた。
「(でも、でも、これは、『チーズインモーハンバーグ・カレー』なんだ!)」
歩みを進める脚も震えていた。
「(これを…..これを…..ボクは食べないといけないのか?)」
カレー担当のオバチャンの顔が、瞼に浮かんで来る。
「たっぷり入れといたよ!」
そうだ。オバチャンは、確かにそう云った。
「(んぐっ!)」
瞼の中の視線が、オバチャンの顔から下に下がっていったのだ。
「(いや、そんなバカな!そんなものをカレーに入れるなんて、あり得ない!........それに…….)」
鍋の中でカレーが泡吹くように、疑問が、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の頭の中に次々と浮かんできた。
(続く)
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