【緊急依頼】身元引受人になってえや！［前編］

2019年8月19日07:39。エヴァンジェリスト氏のiPhoneに、『あの男』から、緊急依頼メッセージが、iMessageで届いた。

『あの男』は、NHKの朝ドラ『まんぷく』を見て以来、すっかり似非関西弁人間となってしまっている。

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アンタはん、話題のアオリ運転男の逮捕知っとるな。これでワテ気になる事がアルんや。

アイツ、昔、警察の世話になったんやて。そこで大学の同級生に身元引受人を頼んだんやて。せやけどこの同級生卒業後ほとんど会っとらんのやて。

身元引受人？

ワテの場合はどやろ？

同居人（美しい同居人や。他の表現方法もあるが、最近、ワテの体力のせいで、その表現を使うのは、ちょっと烏滸がましい状況や）や親戚に身元引受人を頼むのはイヤや（何しろ、罪状が罪状だから、ということになるさかいな）。

せやけど会社時代も大学時代も頼めるお人おらん。友達もおらん。

そこでや。モノは考えようやで。

アンタはんとワテの間には身分制度上の差が確かにアル。ワテのほうがハンサムや。ワテの方オナゴにモテる事は事実や。裸体画の知識すなわち教養もワテの方がダントツや。ワテは日仏学院のディクテを逃亡した恥かしい過去もない（それどころか、ワテは『SNCF』の大家や。フランス語経済学で『優』を取ったこともある）。ぶっちゃけワテが主人でアンタさんは奴隷の身や。

せやけどなあ、ワテには身元引受人となると頼めるのは、アンタはしかおらんのや。それにアンタはんは昔、小菅拘置所に行った経験者や。

そこで相談や。過去のイキサツは水に流してワテの身元引受人になってくれはんらんやろか。

「どのツラ下げてソナイな事頼めるんや。ドナイな了見しとるんや」ちゅうアンタはんの憤りはよう分かる。

けど、ここは、どうか、どーかセツにお願いしますぅ。平に平に頭を擦りつけてお頼み申しあげますぅ。どうかワテの身元引受人になっておくれやす。

たのんマッセ。

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（続く）