2019年9月8日日曜日

ハブテン少年[その24]




『少年』は、『広島カープ』の一番打者『古葉竹識』選手が、『読売ジャイアンツ』の『長嶋茂雄』とかいう選手と首位打者争いをしながらも、シーズン残り13試合のところで、顎に四球を受けたことで、首位打者になれなかったことがあったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「なんやあ?」

エヴァンジェリスト少年は、教室の黒板の裏に頭を入れ、そこに描かれたものを確認した。当時、少なくとも当時の『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)では、黒板は、壁に少し斜めに掛けられており、壁と黒板との間に少し隙間があった。

「ええー!」

黒板の裏から頭を抜いたエヴァンジェリスト少年の顔は、驚いてはいたが、怒ってはいなかった。

「なんねえ?」

互いに好きな女の子のことを告白しあった友人のエトワール君も、黒板の裏に頭を入れ、そこに描かれたものを確認した。

「ああー!」

エトワール君が黒板の裏から頭を出した時、エヴァンジェリスト少年は、クラスの男子生徒たちから、囃し立てられていた。

「リョーオモイ!リョーオモイ!」

エトワール君は、ハンサムな友人の顔を見た。

「何、言いよるんならあ」

と云いながらも、ハンサムな友人は、どこか嬉しそうであった。

「リョーオモイ!リョーオモイ!」



エトワール君は、その意味を理解した。黒板の裏に、その意味が描かれていたからである。


(続く)




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