『少年』は、『広島カープ』の『寺岡孝』外野手が、1988年にウエスタン・リーグで首位打者になるものの、完全なるレギュラーになることはなかったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
************************
(ハブテン少年[その42]の続き)
「(『夫婦』!)」
エヴァンジェリスト少年と『クッキー』子さんとのことを『夫婦』と呼んだ同級生の女の子の言葉に、エヴァンジェリスト少年の股間は、強く『反応』した。
「(んぐっ!)」
『夫婦』という言葉は、少年の頭の中に、『ウンギリギッキ』だけではなく、もう一つの言葉であり、画像を喚起させた。『クッキー』子さんの誕生日パーティーに招かている現実は、どこかに飛んで行っていた。
「(『くしゃれ緑』!)」
遠足の為、乗ったヒロデン(広島電鉄)の貸し切りバスの中から、『広島市立皆実小学校』6年10組の児童たちは、見たのだ。
それは、映画館の看板であった。看板には、肌を露わにした女性が描かれていた。
実は、それは、成人映画『くされ縁』の看板であったが、それを見て興奮したヨシタライイノニ君が、その言葉を叫んだ時、『くされ』を『くしゃれ』のように発音してしまい、『縁』を『緑』と見間違えてしまったのだ。
かくして、『くされ縁』が、『くしゃれ緑』となった。
「『くしゃれ緑』!」
「『くしゃれ緑』!」
「『くしゃれ緑』!」
6年10組の男子たちは、休憩時間になると、教室の横にあった体育用具準備室に入り込み、そう叫び合うようになり、エヴァンジェリスト君も、妄想の中の『妻』でありクラス.メイトである『トウキョウ』子さんに軽蔑されないか気にしながらも、体育用具準備室で、『くしゃれ緑』と叫ぶようになっていた。
「(ボクと『クッキー』子さんが、『くしゃれ緑』を!)」
中学生となってもまだ、『くしゃれ緑』が実は『くされ縁』であったことは知らなかったが、それが『男女のこと』なのであろうことは、看板に描かれた肌を露わにした女性の姿から分っていたのだ。
「(『くしゃれ緑』!)」
エヴァンジェリスト少年は、その後の『クッキー』子さんの誕生日パーティーことを覚えていない。
「(『くしゃれ緑』!)」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿