2019年9月21日土曜日

ハブテン少年[その37]




『少年』は、『広島カープ』の『白石勝巳』監督が、選手時代、『少年』の住む町(翠町)の隣地の広島市皆実町の出身であったものの、選手としては、カープに移籍する前、長く『少年』が大嫌いな読売ジャイアンツの選手であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「どしたん?」

同じく『クッキー』子さんの誕生日パーティに招かれた同級生の女子の一人が、エヴァンジェリスト少年に声を掛けた。

「頭痛いん?」



『クッキー』子さんのお母さん手作りの『クッキー』というお菓子を食べながら、エヴァンジェリスト少年が、頭を振ったのを見て、心配してくれたのだ。

「(嫌じゃ。広島弁を話す奥さんは嫌じゃ!)」

エヴァンジェリスト少年の耳には、心配してくれる女子の言葉は入っていない。

「大丈夫かいねえ?」
「へ?!」

エヴァンジェリスト少年は、ようやく我に返った。

「ああ、大丈夫じゃけえ」

という言葉を口にした自分のことが、広島弁であることに気付いた。

「(なんじゃ?自分が広島弁じゃ….)」

自己嫌悪で『クッキー』に手を伸ばさなくなった。

「やめんちゃいや!」
「ええじゃないねえ」
「そうようなことしんさんなや」
「なにやっとんならあ」

同級生たちは、コテコテに広島弁を飛ばしまくる。

(続く)



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