『少年』は、『広島カープ』の『横溝桂』選手が、1966年にはオールスター・ゲームに出る等、好打者ではあったものの、3あるを打つことはなったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その40]の続き)
「(んぐっ!)」
エヴァンジェリスト少年は、両脚をすぼめ、その間に何かを隠すようにした。『クッキー』子さんの誕生日パーティに招かれ、『クッキー』作りを母親の教えてもらうという『クッキー』子さんの言葉で妄想の世界に入っていたのだ。
「(『子ども』?.......ボクたちの『子ども』、ボクと『クッキー』子さんの『子ども』!)」
『結婚』した自分と『クッキー』子さんとの間に『子ども』がいて何ら不思議ではない。しかし、どうして『子ども』がいるのか、どうして『子ども』ができたのか、だ。
「(それは、『結婚』したんだから……)」
妄想の中でも広島弁を使わなくなっていた。
「(んぐっ!)」
少年はもう知っていた。『結婚』が何であるのか。好きな女の子との思いを遂げることを『結婚』と思っていたが、その『結婚』の結果、『子ども』が出来ること、そして、どうして(どのようなことをすれば)『子ども』が出来るのか、具体的に細部にわたって知っている訳ではなかったが、少年の股間は、本能的にそれを知っていたのだ。
「(『ウンギリギッキ』だ!)」
『ウンギリギッキ』は、エヴァンジェリスト少年が、『広島市立皆実小学校』の6年生であった時に、彼のクラス10組で流行った『遊び』であった。
6年10組の男子たちは、直ぐに6年10組の教室を出て、教室のすぐ横にある体育用具準備室に行った。そして、そこで、誰かれ構わず、背後から抱きつき、
「ウンギリギッキ!ウンギリギッキ!」
と腰を振った。
抱きつかれた方は、
「ヒェーッ!」
と、喜びに満ちた悲鳴を上げた。
「(んぐっ!)」
エヴァンジェリスト少年は、妄想してはいけないものを妄想してしまった。
(続く)
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