2019年9月6日金曜日

ハブテン少年[その22]




『少年』は、『広島カープ』の『池田英俊』投手が、入団後5年連続で2桁勝利を挙げるものの、チーム自体は常にBクラスであったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「(『クッキー』子さん!)」

ついに、エヴァンジェリスト少年は、その美少女の名前を口に出した。いや、口の中で出した(変な意味ではない!)。

「(早う、放課後にならんかのお)」

『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)に着く前から、少年は、放課後に想いを馳せた。

「(夫婦みたいなもんじゃ)」

授業中も、斜め後ろから『クッキー』子さんを凝視め、妄想する。いや、少年の頭の中では、『クッキー』子さんは『妻』なのだ。

「(みんなには内緒じゃけえ)」

自分と『クッキー』子さんとの『結婚』は、クラスの子たちには秘密にしているつもりであったのだ。

「(一緒に生活委員になったじゃけえ)」

小学5年で同じクラスになった『帰国子女』子ちゃんとも『結婚』していたし、小学6年では『トウキョウ』子さんを『妻』としていたことを(『帰国子女』子ちゃんと『離婚』もせずに、であった)思い出すも出さないもなく、『今』のエヴァンジェリスト少年の心は、一緒に生活委員になった『クッキー』子さんに囚われていた。


「行こうか」



放課後となり、エヴァンジェリスト少年は、『妻』を生活委員会に誘った。

「はい」

『妻』は、『夫』に従順であった。


(続く)



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