『少年』は、『広島カープ』の『池田英俊』投手が、入団後5年連続で2桁勝利を挙げるものの、チーム自体は常にBクラスであったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その21]の続き)
「(『クッキー』子さん!)」
ついに、エヴァンジェリスト少年は、その美少女の名前を口に出した。いや、口の中で出した(変な意味ではない!)。
「(早う、放課後にならんかのお)」
『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)に着く前から、少年は、放課後に想いを馳せた。
「(夫婦みたいなもんじゃ)」
授業中も、斜め後ろから『クッキー』子さんを凝視め、妄想する。いや、少年の頭の中では、『クッキー』子さんは『妻』なのだ。
「(みんなには内緒じゃけえ)」
自分と『クッキー』子さんとの『結婚』は、クラスの子たちには秘密にしているつもりであったのだ。
「(一緒に生活委員になったじゃけえ)」
小学5年で同じクラスになった『帰国子女』子ちゃんとも『結婚』していたし、小学6年では『トウキョウ』子さんを『妻』としていたことを(『帰国子女』子ちゃんと『離婚』もせずに、であった)思い出すも出さないもなく、『今』のエヴァンジェリスト少年の心は、一緒に生活委員になった『クッキー』子さんに囚われていた。
「行こうか」
放課後となり、エヴァンジェリスト少年は、『妻』を生活委員会に誘った。
「はい」
『妻』は、『夫』に従順であった。
(続く)
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