「『武川和人』かあ…..」
と呟くと、ドクトル・ギャランドゥは、iPadを診察室の机の上に置いた。
「(だが、くだらんBlogだ)」
机に置かれたiPadの画面には、『ハブテン少年[その157]』というタイトルがつけられた文章があった。
(参照:ハブテン少年[その157])
「(何なんだ、この『んぐっ!』は!?)」
その文章の途中に妙な画像があった。老研究者が、顕微鏡を覗き込んでいる。
「(顕微鏡は懐かしいが…)」
問題は、その老研究者だ。いかにもスケベといった口髭を生やしているのだ。そして、その老研究者の顔の前に、白抜きで『んぐっ!』という文字が書かれているのだ。
「(この回の『ハブテン少年』の内容には、『んぐっ!』が出てきてはいないし、そんな内容ではないんだから、毎回貼ってある画像というかアイコラみたいなやつに『んぐっ!』と書く必要はないじゃないか!)」
確かに、『ハブテン少年[その157]』は、主人公エヴァンジェリスト少年が、『大人』になることへの拒否を描いており、そのBlogにしては、珍しく真面目な回であった。
普段は、巫山戯た要素しかないBlogなのだが、その回は、内容は真面目だが、画像はやはり意味もなく巫山戯たものであった。
「(何故、こんなくだらないとしか云いようがないBlogを毎日、チェックしているんだろう?)」
そうだ。ドクトル・ギャランドゥは、『プロの旅人』という小説のような、駄文のような、Blog出ないようなBlogを、毎日、開いてしまっているのだ。
「(あんな検索さえしなけりゃな)」
或る日、ドクトル・ギャランドゥは、テレビ番組で、讃岐うどんは食べるのではなく、飲むものだ、と云っているのを見て、ネットで『讃岐うどん 飲む』と検索してしまったのだ。すると、
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讃岐うどんは、飲む! - プロの旅人
2011/07/04 - エヴァンジェリスト氏が、神の使いとも思えぬ妄言を吐く「人間」であることは知っていたが、お下劣でもあるとは知らなかった。 「讃岐うどんは、飲むんですよ」. 久しぶりに訪れた高松で、一緒に出張したローラク・クイーン13世に云った氏のその ...
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というなんとも珍妙な表示の検索結果もあり、ついつい、それをクリックしてしまったのだ。
(参照:讃岐うどんは、飲む!)
すると、そこには、
『うどんを飲むってねえ、食欲を満たすって云うよりも、肉体的な快感を覚えさせるんですよ』
とか
『喉が欲しがるんですよ。喉が』
といった巫山戯た、いや、お下劣なことが書かれていたのだ。
「なんじゃこりゃ!」
と思いつつも、『プロの旅人』の他の回も見てしまったのだ。
(続く)