「…んん?」
『長谷観音前』の交差点方面に戻りながら、ビエール・トンミー氏は、首を捻った。
「鎌倉の大仏と、奈良の大仏と、…ええと…」
友人のエヴァンジェリスト氏から、『日本三大仏』を問われたのだ。
「ふふーん、出てこないだろ、3番目」
勝ち誇ったような友人に苛立ちが募り、
「いや、待て!ちょっと待て…」
と脳の中の味噌を全力で撹拌させた。
「気張り過ぎると、後ろの方をお漏らししちゃうぞ。君ももういい歳なんだから」
というお下劣な友人の言葉に、更に苛立ちが募る。
「五月蝿い!思い出すのを邪魔するな!」
つい最近、確かに少し、ほんの少しだが、パンツの中にお漏らしをしたことがあったからだ。
「おいおい、図星か。まあ、正直なことを云おう。実は、ボクも昨年、ダイの方をお漏らししたんだ」
エヴァンジェリスト氏は、訊かれてもいないことを喋り出した。
(続く)
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