「『オバケのQ太郎』は、正確には、藤子・F・不二雄というよりも藤子不二雄の作品だが、つまり、藤子・F・不二雄と藤子不二雄Ⓐの合作だが、藤子不二雄Ⓐも高岡市の隣の氷見市出身で、10歳の頃、高岡市に引っ越しているから、藤子不二雄もまあ、高岡出身で間違いないだろう。君が、広島出身であるのと同じだ。生れは広島ではないものの、多感な中学・高校時代を広島で過ごしたんだからな」
と、エヴァンジェリスト氏は、鎌倉大仏に向かう狭い歩道で他の歩行者を気にすることもなく、ビエール・トンミー氏に対して、滔々と藤子不二雄を、高岡を語る。
「おいおい、ボクは、自分を広島出身と云ったことはないぞ」
というビエール・トンミー氏の抗議もものかは、エヴァンジェリスト氏は、高岡を語り続ける。
「同じく高岡出身ではないが、万葉集で有名な大伴家持も高岡にゆかりがあることから、高岡は万葉のふるさととも云われているんだぞ。だから、高岡の路面電車は、『万葉線』という名前なんだ」
「君は、高岡の回し者か?高岡の親善大使でもしているのか?」
「いや、違う。風吹ジュンの関係者でもない」
「また訳の分らんことを云う。どうせ、風吹ジュンは高岡出身なんだろう?」
「おお、さすが、天下のハンカチ大学商学部出身にして、『SNCF』の大家、老いては西洋美術史裸体画専攻インモー研究家だけのことはあるな。風吹ジュンが高岡出身であることを知っているとは、実は君は高岡に詳しいのではないか?」
「知らん、知らん。話の流れから、風吹ジュンは高岡出身なんだろうと類推しただけだ」
「ひょっとして、仏壇でも買いに高岡に買いに行ったことがあるのではないのか?」
「はあ?高岡は仏具で有名なのか?」
「ほーら、やっぱり知っているではないか。高岡は銅器作りで有名だからな」
「は?」
「またまた惚けてえ。銅器作りから、仏具の製造・販売も盛んなんだ。さあ、もうわかっただろ?」
(続く)
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