「君も、大仏の中に入ったのか?」
鎌倉大仏のある高徳院の入口から中に進みながら、エヴァンジェリスト氏は、友人のビエール・トンミー氏に話していた。
「まさか、中に入れるとは思っていなかっただろ?」
しかし、話題としているのは、今から見ようとしている鎌倉大仏ではなく、富山の高岡大仏であった。
「ボクは、高岡大仏の中に入ったことはない」
「ということは、『みさを』だけ、中に入ったのか?『みさを』は、驚いただろう、中に大仏の首があるんだものなあ」
「君も本当にしつこいなあ。『みさを』も中に入っていない」
「そうかあ、二人共、外から見ただけか」
「いいか、高岡に行ったことはないし、だから、高岡大仏も見たことはない」
「じゃあ、『みさを』と見に行ったのは、あっちの方か?」
(続く)
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