2020年9月18日金曜日

治療の旅【江ノ島/鎌倉・編】[その119]

 



治療の旅【江ノ島/鎌倉・編】[その118]の続き)



「図星だったんだな」


鎌倉大仏のある高徳院の入口で、鎌倉大仏についてではなく高岡大仏について語っていたエヴァンジェリスト氏が、友人のビエール・トンミー氏に、高岡大仏のある富山県高岡市の『大佛旅館』に、女とお忍びで泊ったのではないか、と云ったところ、友人は動揺を見せたのだ。


「そ、そ、そんな『みさを』なんて女、知らん!」


ビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏が思う以上に動揺していた。


「おいおい、誰だ、『みさを』って?ボクは、君が『大佛旅館』にお忍びで泊った女のことは、『みさこ』と云ったんだぞ」


エヴァンジェリスト氏は、その年(2016年)、NHKの朝ドラ『べっぴんさん』に出演していた女優『蓮佛美沙子』から発想して、適当に『みさこ』という名前を出したのであった。『大佛旅館』の『佛』から、『蓮佛美沙子』を思い付いたのだ。名前に『佛』のある人は珍しく、『蓮佛美沙子』を連想しただけであった。


「っ….ああ、云い間違いだ。『みさこ』なんて知らん、知らん」

「ふふーん。『みさこ』と『大佛旅館』の風呂に一緒に入ったのか?」

「え、『大佛旅館』には風呂があるのか?」

「そりゃ、あるだろう」

「一緒にということは、混浴か?」




「知らない。君は泊ったんだから知っているだろう」

「いや、だから泊っていない」

「風呂で体を温めあって、その晩、ふふ…で、翌朝、あの路地を、か」

「だからあ…」



(続く)



0 件のコメント:

コメントを投稿