「(私、ピストルなんか、怖くないわ!)」
『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』は、右手で、ビエール・トンミー氏がズボンの中に隠し持つ『凶器』を触りながら、あらためて戦う意志を強くした。
「(でも、本物のピストルって、どんなのかしら?)」
『逆さクラゲ』の部屋の円形ベッドの上で、ビエール・トンミー氏と、『ナメクジ』プロレス』をしながら、彼女が下半身に感じ取っていたビエール・トンミー氏の『凶器』、そう、噂の『原宿の凶器』を、マダム・トンミーは、まだ実物は見たことのないが、ピストルだと信じていたのだ。
「(ええい!取っちゃえ!)」
マダム・トンミーは、思い切って、相手レスラーの、そうだ、ビエール・トンミー氏のズボンの中に右手を差し込んだ。
「えっ!」
ビエール・トンミー氏は、思わず、『ナメクジ』プロレス』をしていた舌をマダム・トンミーの口から抜き、叫び声を上げた。そして、
「んぐっ!」
という声とも音ともつかぬものを発した。
「(ええ、これって?....ロケット?)」
マダム・トンミーは、右手が触れているものを、まだ触ったことはないがピストルではなく、その太さ、形状から『ロケット』かと思い、更に、右手で形状を確認しようとした。
(続く)
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