「(え!?な、なに?)」
と、『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』が、『んぐっ!んぐっ!んぐっ!』という猛烈な『反応』音がする方に顔を向けるよりも早く、彼女の顔を、あの『獣臭』が襲った。
「(ひゃーっ!)」
マダム・トンミーが寝そべる『逆さクラゲ』の部屋の円形ベッドの横に立ったビエール・トンミー氏であった。
「(け、け、『獣』お!)」
ビエール・トンミー氏が、顔までも毛むくじゃらとなり、眼が血走っていた(ように見えていた)。
「うおー、うおー、うおおおおおー!」
と叫ぶと、『獣』は、バスローブを、腰紐を解いて背後に脱ぎ捨てた。
「ええ、ええ、ええー!」
マダム・トンミーは、『そこ』に再び、『原宿の凶器』を見た。
(続く)
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