「(負けないわあ!)」
『逆さクラゲ』の部屋の円形ベッドの上で、今や『獣』を超えた『怪獣』と化したビエール・トンミー氏の猛攻を受けながらも、『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』は、プロレスラーとしての意地を失わない。
「おお?おお?おおおおおー!」
ビエール・トンミー氏は、一瞬、動きを止めた。マダム・トンミーに体を返され、マダム・トンミーに組み敷かれたのだ。
「おお、おお、おおおー!」
マウント・ポジションを取ったマダム・トンミーも、『怪獣』と化し、『咆哮』を上げる。
「うおおおおおおおー!んぐっ!んぐっ!んぐっ!」
ビエール・トンミー氏も呼応して、『咆哮」を、『音』を上げる。
こうして……どのくらいの時間が経ったであろうか。
「ああ……ふうう」
天井を見上げながら、ビエール・トンミー氏が、ため息をついた。
「ええ……ふうう」
マダム・トンミーも、天井を見上げながら、ため息をついた。
「ふふふ」
2人は、声を合わせて、笑いを漏らした。2人は、『逆さクラゲ』の部屋の円形ベッドに並んで仰向けに寝ていた。
(続く)
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