<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[ベンツのカースト制度]
「せや、あんましアボばかりぬかしとると、この講座にも『カースト制度』を作るでえ、『ベンツ』みたいにな」
生徒エヴァンジェリスト氏から、ドイツ人女性『メルセデス』と『ふか~い』付き合いをしていたのだろう、と揶揄われたビエール・トンミー先生は、iMessageの文面にも怒りを隠さない。
「ええ?『ベンツ』に『カースト制度』?」
「せや、『ベンツ』には『カースト制度』があんねん。『Sクラス』が王様なら『マイバッハSクラス』は、神聖ローマ皇帝、『ベンツ』界の『皇帝』やと説明したやろ」
「先生も、『変態』界の『皇帝』、通称、『原宿の皇帝』でしたよね?」
「『変態』界の、は、余計やけどな。ええか、『 Sクラス』が、ベンツの最高クラスやが、その上に『マイバッハSクラス』があるさかいにな、『Sクラス』とはいえ油断デケンのや。『Sクラス』のオーナーが、『マイバッハSクラス』と会うて、『あっ、ワテと同じSクラスや、友だちや』と馴れ馴れしく近づくと、『控えおれ。この<マイバッハ>の紋所が見えぬか。ここにおわすは神聖ローマ皇帝様その人であらせられるそ!』と無礼打ちにされるんや」
「へええ、<マイバッハ>の紋所って、そんなに神通力があるんですか?」
「せやで、水戸黄門の印籠より強力やで。そもそもやなあ、『マイバッハ』は、誰でも買えるもんとちゃうねん」
「そりゃそうでしょう。高額でしょうからねえ」
「あんさん、甘いなあ。『マイバッハ』は、ただ高額なんとはちゃうねん。審査があんねんでえ。職業とか社会的地位、利用目的なんかも調べられるさかい、ただ金持ってるだけでは売ってもらへんのや」
「おお、それで先生は、『マイバッハ』は買えないんですね」
「なんやて?!」
「だって、『変態』でしょ。あ、違った。先生は、『変態』は『変態』でもただの『変態』ではなく、『変態』界の『皇帝』だから、『皇帝マイバッハ』の審査にも通りますよね」
「また茶化してんのかいな。真面目に聞きい。『ベンツ』には、頂点の頂点たる『マイバッハSクラス』もあるけどな、『Sクラス > Eクラス > Cクラス > Bクラス > Aクラス』ちゅう鉄壁の『カースト制度』があんねん。『Sクラス』が来ると『Eクラス』は目を伏せ、『Eクラス』が来ると『Cクラス』は平伏せんとアカンのやで」
「え!?平伏すんですか?!」
「ああ、そやで。せやけどワテは 、『Bクラス』 > 『Aクラス』は微妙やと思うてるんや。両方ともトランクの無い2ボックスやし。違いがよー分からん。まあ、その辺は、そのうち解説してやるかもしれへん」
「まだ、上位『カースト』しか教えて頂いていませんが、下位『カースト』についてもお教え下さい」
「『Sクラス』が王様なら『Eクラス』は貴族、『Cクラス』は庄屋で間違いないが、『Bクラス』と『Aクラス』はどちらも平民。『Bクラス』は肉屋で、『Aクラス』は野菜屋かもしらんし、『Bクラス』が中学教師で、『Aクラス』が市役所の戸籍係とも云えねん」
「なるほど、それで『Eクラス』な先生は、『Sクラス』と出会うと目を伏せるが、下のクラスの『Cクラス』や『Bクラス』や『Aクラス』と会うと『オラオラオラ』とガン飛ばすんですね」
「そや。あんさん、『ベンツ』の『カースト制度』、分ったようやな」
「ええ…でも、ガッカリです」
「へ?」
(続く)
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