2021年7月17日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その152]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[やっぱり初代SLがいいカモメ(続き8)]



「またかいな。今度は、舘ひろしを『舘さん』呼ばわりすんのかいな」


というエヴァンジェリスト氏に宛のビエール・トンミー先生のiMessageには、辟易感が溢れていた。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、『SLクラス』に関するものになり、石原裕次郎も乗っていた初代の『SL』である『ガルウイング』の『300SL』を舘ひろしが、石原まき子さんにオネダリした話に展開していたのだった。


「ヒロくんの方がいいでしょうか?」

「どアホ!」

「舘さんは、『モーガン・プラス4』と『ジャガーXJサルーン』に乗っていると聞いたことがあります。それから、ベンツの『SクラスS550ロング』もお持ちのようです。それで十分な気はします」

「え、なんやて!舘ひろしは、『モーガン』持っとるんか!?」

「先生、『モーガン』のこともご存じなんですか?」

イギリスの車でエエと思うのは、『ミニ』(勿論、BMCやで)と『モーガン』だけや。とりわけモーガンは欲しい欲しいと思ったで」

「BMC?」

『ミニ』いうても『BMC』の『ミニ』と『BMW』とがあんのや。その内、説明したる。それにしても、『モーガン』のスタイルは格好エエで。憧れや。スタイル、何十年も変わっとらんかさいな(変りようがあらへん)。おまけに全部手作りや。フレームに木材まで使うとる」

「私は、『モーガン』って見たことがありません。と云うか、見たことあるのかもしれませんが、どれが『モーガン』か知らないので、認識できていないと思います」

「まあ、日本ではあんまりお目にかかれへんやろな。こないなんや、見てみい」




「おお、クラシックなスタイルですね」

「な、格好エエやろ」

「先生は、『モーガン』と『ガルウイング』の『300SL』とでしたたら、どちらが欲しいんですか?」

「アンタ、何訊いとんねん。『300SL』は、神でっせ。比較にならんで」

「やっぱり『300SL』がいい『カモメ』なんですね」

「変らずクダランで。まあでもな、『ガルウイング』の『300SL』は、別格やから、舘ひろしも欲しかったんやろ。それに、なんちゅうても、石原裕次郎の愛車やったんやからなあ」

「うーむ、そこは少し違っているかもしれません。舘さんが慕っていたのは、どちらかと云えば、と申しますか、正直なところでは、裕さんではなく、渡さんでしたから」

「え?そうなんか?」

「舘さんが、石原プロに入ったのは、渡さんを慕ってのことだったんです。まあ、私も、石原プロ入りを噂されていましたが、私も、正直なところ、裕さんに興味があった訳ではありませんでした」

「ああ、せやったな。アンタ、フランス文学に興味あらへんのに大学院の文学研究科に進んでまでフランス文学を専攻したし、石原プロ、石原プロ、と騒いどったんも、石原プロの窮状を予見して、妙な使命感を持っただけやったんやったなあ」

「若手俳優たちに嫌という程、飲食させるとか、ドラマの撮影現場におはぎを50個、100個差し入れるとかいった豪快さに惹かれるところもあったのですが」

「アンタが石原プロ、石原プロ云い出した頃は、石原プロも一応、まだまだ大丈夫なんやなかったかあ思うけど、アンタの予見は正しかったんやな。予見通り、もう石原プロはあらへんさかいな」

「しかし今、石原プロのDNAを受け継いだ『舘プロ』があり、今回(2021年7月)、『舘プロ』には、新たに5人の俳優とアーティストが加入しました。『舘プロ』は、裕さんや渡さんの意思を継いでいくようなんです」

「その点、『ミニ』はなあ…」



(続く)



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