2021年8月31日火曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その197]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイラーなベンツへ(続き)]



「はあん?なんやて、ワテが、ミーハーやて?!」


と、ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageで気色ばんだ。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』からベンツに乗り換えた事情説明となっていたが、ベンツに乗り換えたのは、ミーハー的だ、とエヴァンジェリスト氏が云ってきたのだ。


「だって、当時、外車、に乗るのは、今よりずっと、一種のステータスだったでしょう?ましてや、ベンツには、今もそうですが、ブランド力がありますからね」

「おいおい、ワテをその辺のブランドを有り難がる安っぽい連中と一緒にするんやないでえ。ワテは、決してブランド志向でベンツを選んだ訳ではないんや。ここんとこ、強調せんとアカン」

「あ、ひょっとして、ベンツにも『スケベノブ』があったのですか?」

「アンタ、ホンマもんのアホちゃうか?ベンツにそないなケッタイなもん付いとる訳ないやろがあ!」

「『プレリュード』の『スケベノブ』は、やはりケッタイなものだったんですね」

「ああ云えばこう云うやな。『プレリュード』の『スケベノブ』は、『スケベノブ』やのうて、後部席への乗降への便利機能やったあ、云うたやろが」

「では、ベンツが、『女子大生ホイホイ』の『プレリュード』に対して、『マダム・ホイホイ』だったからですか?」

「はああ?『マダム・ホイホイ』?」

「先生ご自身はブランドを有り難がることはなかったとしても、街を歩くマダムたちにとっては、ベンツは憧れのブランドだと思います。先生が、ベンツを停め、街行くマダムに、『奥様、お乗りになられませんか?』と声を掛けたら、ホイホイと妖艶なマダムたちを捕獲することができたでしょう」




「よう、そないなオゲレツなことばっかし考えよんなあ。アンタの妄想力には、ある意味、感心するで」

「いえいえ、大したことではありません。先生を見ていると、自然に先生がマダムたちを虜にするところが見えてくるのです」

「もう、アンタには、付き合っとられへんでえ。マダムたちが、ワテのベンツに物欲しそうな視線を送ってきたんは、間違うとらんし、今でも、街中を走らせとると、行き違うたマダム連中が、ワテのベンツに振り返ることは、ようあるけどな」



(続く)




2021年8月30日月曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その196]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイラーなベンツへ]



「ワテが『プレリュード』に乗ってたんは、オゲレツなアンタが思うようなんとはちゃうで」


と、ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageで自らが『プレリュード』に乗っていたのは、オゲレツ目的ではないと主張した。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、ビエール・トンミー先生が、『プレリュード』からベンツに乗り換えたのは、結婚により、もう『女子大生ホイホイ』する必要がなくなったからであろう、とエヴァンジェリスト氏が云ってきたのだ。


「ワテは、結婚後も、しばらく『プレリュード』に乗ってたさかいな。結婚前の5年、結婚後の5年、計10年、『プレリュード』に乗ってたんや」

「そうかあ、『プレリュード』からベンツに乗り換えたのは、先生が、40歳になられた頃だったんですね」

「プレリュードは快調やったで。今でも好きなクルマや。コレに『スリーポインテッドスター』が付いとったら、もっと乗っとったかもしらんで」

「おお、そのお言葉で私、気付きました」

「何、気付いたんや?」

「『プレリュード』のエンブレムです」

「なん云いたいんか知らへんが、アンタ、いつの間にか、デカ口調止めてたんやな」

「『プレリュード』には勿論、『スリーなんとか』は付いていません。代りに、『プレリュード』に相応しいエンブレムが付いていたのです!」

「付いとったんは、ただのホンダのエンブレムやで」

「ふふ。『H』です。この『えっちー』!」




「あんなあ、説明すんのもアホ臭いが、ホンダのクルマのエンブレムはみんな『HONDA』の頭文字の『H』やで。『プレリュード』だけやあらへん。妙ちくりんなこと云うてると、ホンダはんが怒るでえ。それになあ、アンタ、今時、『えっちー』なんちゅう言葉は古臭いで。死語とちゃうんか。昔の若者言葉やろ。少なくとも、67歳になって使う言葉やあらへんで」

「確かに、私、『えっちー』なんて言葉使ったのは久しぶりです。最近は、『んぐっ!』を使っています」

『んぐっ!』も同じや。アンタ、年齢考えるんや。クルマも同じなんや。クルマにも、年相応ちゅうモンがあるかさいな。『プレリュード』は、青年向けのクルマやったで。せやさかい、40歳を超えたワテは、ベンツの乗り換えたんや」

「なるほどお、『ブルーバード』で大人になりかけたのに、『プレリュード』でオゲレツに走った先生を、ベンツが、大人に戻したのですね。でも、そこで、『ブルーバード』や『セドリック』、『クラウン』といったクルマではなく、ベンツをお選びになったのは、大人ながらミーハーではいらしたからなのですね」



(続く)




2021年8月29日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その195]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き7)]



「あんなあ、アンタの云う『背凭れ』がなんのことか知らへんが、ワテ、結婚前の家内に犯罪行為なんかしたことあらへんで」


と、ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageで真面目に自らの『無罪』を主張した。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、ビエール・トンミー先生が、『女子大生ホイホイ』とも云われた『プレリュード』で、『背凭れ』で『犯罪』的行為をした、とエヴァンジェリスト氏が云ってきていたのだ。


「そりゃ、まあ、『ソン時』、家内は、『え?』とか『あらっ!』とか『んまっ!』くらいのことは云うたあとは思うが、それだけやで」

「ほほー、ついに吐いたな。そうだ、ソン時』だ」

「何、云うねんな。アンタ、『アン時』、見てた訳やないやろに」

「奥様と『プロレス』したのは、『逆さクラゲ』が先か、それとも『プレリュード』が先なんだ?」

「もー、ホンマ、訳分からんで。なんや、『逆さクラゲ』て?」

「アンタと奥様との馴れ初めは、『プロの旅人』の『バスローブの男』シリーズで確認済だったが、まさか『プレリュード』でも『プロレス』してたとはなあ」

「あんな、『プロの旅人』みたいな妄想系Blogの云うこと信じたらアカンで。ちゅうか、アレ書いとんのアンタやろが」

「『プロの旅人』氏も、アンタのベンツ講座があるまでは、まさかアンタと奥様との間に、『プレリュード』の『背凭れ』事変があったことまでは把握していなかったんだろう」

「やから、なんやねん、その『背凭れ』事変ちゅうんは?エエ加減、説明しいな」

「『プレリュード』には、助手席の『背凭れ』を運転席側から倒すことができる機能があったことは分ってるんだぞ!」

「うっ!.....そのことか。アンタ、その機能のこと知っとったんか。ワテとiMessageしながら、また、『デジタル・ハンター』したんやな」

「『リトラクタブル・ヘッドライト』で誘き寄せ、『背凭れ』でトドメを刺したんだな」

「いや、ワテは、『スケベノブ』のことは知らんかったんや」

「え?『スケベノブ』?」

「ああ、、助手席の『背凭れ』を運転席側から倒す取っ手や。ドアの『ノブ(取っ手)』云う時の『ノブ』や。あん機能のことは、有名な話や。『デート・カー』の証明や、とな」




「ようやく吐いたな。奥様に『スケベノブ』を使ったんだな」

「やからあ、ワテは、『スケベノブ』のことは知らへんかったんやて。ま、『背凭れ』が倒れたことは確かやけどな」

「はああん?『背凭れ』が勝手に倒れるもんか!」

「そこは阿吽の呼吸っちゅうやつやな」

「誰と、何と、阿吽の呼吸なんだ!?」

「まあ、力まんときいな。あの機能は、通称『スケベノブ』なんは確かやけど、別に『スケベ』する為の機能やなかったんや。『プレリュード』は2ドアクーペやさかい、後部座席に人が乗り降りし易いように、運転手が助手席の『背凭れ』を操作する為のもんやった」

「でも、『ソン時』は、『プレリュード』には奥様と2人だけで、他に後部座席に乗る者はいなかっただろう。なのに、『スケベノブ』を使った、ということは、『スケベノブ』はやっぱり『スケベノブ』じゃないか!」

「使うてへんて。どないしてか分らへんが、上手い具合に『背凭れ』が倒れたんや。で、家内は、『え?』とか『あらっ!』とか『んまっ!』とかいう声を発したんや」

「ごちゃごちゃ言い訳して見苦しいぞ。でも、『結果』は同じだ。まあ、その『結果』の相手とちゃんと結婚したから、『スケベノブ』を使う必要がなくなった、というか、『女子大生ホイホイ』の『プレリュード』も不要となって、ベンツに乗り換えたんだな?」



(続く)



2021年8月28日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その194]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き6)]



「なんや、『魔』の助手席て?」


というビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageには、どこか警戒する様子が見て取れた。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、『女子大生ホイホイ』とも云われた『プレリュード』の助手席について、エヴァンジェリスト氏は、『魔』の助手席と、何やら意味深な表現を使ってきたのだ。


「またまたお惚けですか」

「どうせまた、ワテの『プレリュード』の助手席に乗ったオナゴは、ワテの『魔』の手にかかった、とでも云うんやろ」

「やはりそうでしたか。でも、分ってますよ。先生は、助手席に乗った女子大生たちにいきなり手を伸ばすなんて、無粋な手口はおとりになられません」

「まあ、そりゃ、下手したら犯罪になるさかいな」

「『背凭れ』ですね?」

「んん?」

「そろそろ吐いたらどうだ。ネタは上ってるんだ」

「な、な、なんやねん!アンタ、いつデカになったんや」

「そう云う自分はどうなんだあ!殆ど犯罪者だろう。こういう扱いを受けても仕方ないんじゃないのか?」

「ワテは清廉潔白雨霰や。なーんもヤマシイことあらへん。免許を取った日のスピード違反のことやったら、あれは、白バイ警官に注意受けただけで、無罪放免や。あんたかて知ってるやろ」

「そんなことじゃない!」

「ああ、家内のことか。そりゃ、家内はワテより10歳若く、確かに、結婚した頃は、『そりゃ、犯罪やで』と、周りからよー云われたもんや。けど、それは、やっかみ半分、後の半分は、歳の差の大きい相手と結婚したモンへの冷やかしや。ホンマの犯罪とはちゃうで」




「ああ、そうかあ、女子大生から社会人になって間もない奥様にも『背凭れ』を使ったんだな?」

「やから、なんやねん、その『背凭れ』はあ?」

「奥様と結婚した頃も、『プレリュード』に乗ってたな?」

「ああ、それがなんやねん?」

「結婚前の奥様にも『背凭れ』を使ったが、その後、奥様と結婚したから、犯罪にならず済んだ、ということだな」



(続く)




2021年8月27日金曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その193]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き5)]



「え?『白鳥ゴー』?」


と、生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生宛のiMessageで疑問符を打った。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、『女子大生ホイホイ』とも云われた、その『プレリュード』の『リトラクタブル・ヘッドライト』が格好良く、獲物である女子大生受けもしたのではないか、とエヴァンジェリスト氏が問うたところ、ビエール・トンミー先生は、『白鳥号』という名前を持ち出してきたのだ。


「そうや。ワテは、ワテの『プレリュード』を『白鳥号』と命名したんや。白い『プレリュード』やったし、走る姿が美しく流麗やったさかいな。これにオナゴが一杯乗り込んできたで」

「ああ、先生は、ご自分の『プレリュード』を『白鳥号』と命名し、悦に入っていらしたのですね。女子大生を取っ替え引っ替え乗せて」

「なんかトゲのある云い方やなあ」

「私、先生は、『ブルーバード』で大人の仲間入りをされたものと思っていましたが、残念です。『プレリュード』で、子どもへの逆戻り、というか、サカリのついた豹になられたのですね」

「『ブルーバード』がエンジンオイルの点検不足で走行中にエンジンが焼き付き、オシャカになったさかい、次のクルマを買うたんや。その時、一番格好エカッタのが『プレリュード』やったんや。即決で買うたな」

「ただ格好良かったから、なのではなく、『女子大生ホイホイ』なクルマだったからでしょう?」

「純粋に格好エカッタからやけど、ワテ、その時、まだ独身やったんやで。31歳にはなってたけど、まだまだオナゴに興味あったかてしゃーないやろ」

「理性が欲望に負けていたのですね」

「あんな、67歳になってもまだ、『んぐっ!』しまくっとるアンタに云われとうないで。でもやなあ、ワテの『プレリュード』に乗ってきたオナゴたちの方は、『んぐっ!』やったんは確かやな」

「『リトラクタブル・ヘッドライト』で『プレリュード』という罠にかかった女子大生たちの苦悶と見えた表情が実は、喜悦の表情だった、ということなんですね」

「ワテの『プレリュード』のヘッドライトは、片方ずつ連続して上げ下げデケルというワテのクルマだけの特技があったで。特技いうよりも秘儀やな。ウインクしとるようで面白いかったで」

「おお!先生の『プレリュード』は、先生と一体化していたのですね!女子大生たちは、それが、ヘッドライトのウインクなのか先生のウインクなのか判別不能なまま、そのウインクに吸い寄せられるように、気付くと、『プレリュード』の『魔』の助手席に座っていた、ということなんですね」





(続く)




2021年8月26日木曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その192]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き4)]



「あんなあ。誰が、トラクター云うたんや」


と云うビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageには、諦めの色が滲んでいるようでもあった。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、先生がその『プレリュード』に関して、『リトラクタブル・ヘッドライト』が格好良かった、と云ったところ、エヴァンジェリスト氏は、それを『トラクター』と理解してみせたのだ。


「また得意の『文字を見て聞き間違い』したんかいな。ワテは、『リトラクタブル・ヘッドライト』云うたんや」

「なんですか、その『リトラクタブル・ヘッドライト』って?」

「日本語で云うたら、『格納式前照灯』や。つまり、ヘッドライトが普段は、ボンネットの中に隠れとって、光らせる時だけ、パカっと出てくるやっちゃ」

「ああ、なるほどお。豹が獲物(女子大生)を嗅ぎつけて目覚め、鎌首をもたげて眼を光らせるように、ヘッドライトが、ボンネットから出てきてピカッと光るのですね。まさに先生の心を体現するヘッドライトですね!」




「ああ、その当時のスポーティカーの流行りでんねん。フロント部分がスッキリするし、ライト点灯の時ガバッとランプが立ちあがるの格好エエやんか。せやけど、今はアカンのや。衝突安全性の『クラッシャブルゾーン』に難有りちゅう理由やな」

「ええ?ええ、ええ、ええ?『クラッシャー・リソワスキー』と『ディック・ザ・ブルーザー』ですか?『リトラクタブル・ヘッドライト』は、あのタッグ・チームに壊されたのですか?あの2人、共にごっつい体で、最凶タッグとも呼ばれて…」

「やめえな。なんか知らんが、また強引にプロレスラーを持ち出したんやな。でもその手には乗らへん。その2人が誰か訊かへんさかいな。ええか、『クラッシャブルゾーン』ちゅうんはな、クルマが衝突した時に変形して衝撃を吸収する部分のことや。『リトラクタブル・ヘッドライト』は、そこんとこがアカンでえ、ちゅう規制が今はあるんや。まあ、『リトラクタブル・ヘッドライト』やと、空気抵抗的にも良くないから燃費悪くなるしな」

「『リトラクタブル・ヘッドライト』って、なんか格好良くって、獲物である女子大生受けもしたのではないかと思いますがねえ」

「せや、『白鳥号』や」



(続く)




2021年8月25日水曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その191]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き3)]



はあ?なんで、三代目』のことで、ワテ、アンタに非難されなアカンねん?」


と、ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageで気ばんだ。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、先生が買った『プレリュード』は、『女子大生ホイホイ』という異名も持つ『三代目』のプレリュード』であったことから、話は、その『三代目』という言葉から派生して『三代目 J SOUL BROTHERS』となり、エヴァンジェリスト氏は、三代目 J SOUL BROTHERS』の『三代目』に何かひっかりを持っているようなのであった。


「先生は、天下のハンカチ大学商学部のご出身ですが、その一方、西洋美術史研究家でもいらっしゃる」

「ああ、特に、『インモー』を研究しとる。でも、勘違いせんといてや。あくまで学問的研究やで」

「先生は、基本的には絵画の『美』の探求をされていらっしゃいますが、『美』全般への見識をお持ちです」

「アンタ、なんだかんだ云うて、ワテのこと、よう見とるんやな」

「その先生からすると、J SOUL BROTHERS』の『三代目』という表現は許せないものでしょう。だって、J SOUL BROTHERS』なんて如何にも洋風な名前に『三代目』という明らかに和風な言葉は合いません。歌舞伎とか落語とかいった古典芸能であれば、『三代目』は然もありなんでしょうけれど」

「ああ、せやで、せやで」

三代目 J SOUL BROTHERS』なんて名前は、美しくありません」

「ああ、そりゃ、美しゅうないでえ。でもな、『プレリュード』の『三代目』は、美しかったんや。フロント部分を低くする為にエンジンを傾けて装着することまでしたんや。その低いクサビ型のボディラインにリトラクタブル・ヘッドライトが格好エカッタで。運転席に座ると地面に座る位低かったんや」

「え?小林旭は、ホンダのCMはしてなかったと思いますが」

「なんで、小林旭が出て来んのや?!」

「だって、トラクターって。トラクターといえば、『🎵あーかーいトラクター』の小林旭でしょう。でも、小林旭の『自動車ショー歌』にはホンダは出てきません。あの歌ができた頃には、ホンダはまだクルマは作っていませんでしたからね」





(続く)




2021年8月24日火曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その190]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き2)]



『女子大生ホイホイ』や」


と、ビエール・トンミー先生は、いきなり妙なキャッチフレーズのようなものを口にした、いや、生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageにした。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、先生は、『プレリュード』で女性をクラクラさせたと云うのであった。


「はああ?先生、いきなり何を仰るんですか?『女子大生ホイホイ』って」

「あんな、『プレリュード』は、『デートカー』ちゅうカテゴリーのクルマで、『女子大生ホイホイ』とも云われとったんや」

「ああ、『プレリュード』の格好よさに女子大生たちもメロメロになり、『ゴキブリホイホイ』のように、女子大生がホイホイとひっかっかてきた、ということですね」




「そや。ワテが買うた『プレリュード』は、『三代目』で、日本車にない横幅が広く超低重心のスタイルが抜群に良かったんや」

「へっ、『三代目』ですかっ」

「なんや、その『っ』ちゅうんは?『三代目』に文句あんのかいな?」

「『三代目 J SOUL BROTHERS』は何故、『三代目』って名前にしたのですか?」

「知るかいな。その『三代目ナントカ』は、歌手かなんかやろが、いつも云うてるやろ、ワテ、ゲーノー界のこと、興味のうてなーんも知らへんのや。でも、『ナントカ』の『三代目』やから、『三代目ナントカ』にしたんとちゃうんか?」

「私も、『EXILE』とか『三代目 J SOUL BROTHERS』には興味がありませんが、三代目 J SOUL BROTHERS』は、J SOUL BROTHERS』のまさに三代目』はなんだと思います。『EXILE』を作った『HIRO』が最初に作った

J SOUL BROTHERS』が初代で、その後に『二代目』があり、今の三代目 J SOUL BROTHERS』がまさに『三代目』なんだろうと思います」

「なら、三代目』でエエやんか」

「おお、先生ともあろうお方が!」



(続く)






2021年8月23日月曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その189]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード(続き)]



なんや、その『ちゅうかなナントカ』ちゅうんは?」


ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏の云う魔法少女ちゅうかないぱねま!』や『変態老人ちゅうかなぱじゃま!』を、iMessageで送られてきた読む文字であるのに、聞き取れないふりをした。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなってきていたが、エヴァンジェリスト氏は、自身の仲人であった老紳士の会社上司が、若者向けとみ云える『プレリュード』に乗っていたのは、その上司が海外生活の方が長く、日本人的な固定観念を持たないお洒落な紳士であったからだとし、ビエール・トンミー先生について、パジャマを着て外出する先生は、日本人的な固定観念を持たない、ある種のお洒落な紳士だと認め、何故か、『魔法少女ちゅうかないぱねま!』や『変態老人ちゅうかなぱじゃま!』という言葉のような、何かのタイトルのようなものを持ち出してきたのであった。


「『魔法少女ちゅうかないぱねま』は、島崎和歌子の出世作のテレビドラマです。内容はよく覚えていませんが、中華魔女である『いぱねま』の話です」

「で、ワテのことを『ちゅうかなナントカ』ちゅうんは…」

「先生、『変態老人ちゅうかなぱじゃま!』です」

「五月蝿いでえ。要するに、ワテのことを、パジャマ着て外出するさかい中国人みたいやあ、云うんやな。そないなんと一緒にすんやないで。ワテのパジャマは、誰が見てもパジャマとは思えんお洒落着や。せやから、パジャマ着て銀行行ったかて、お洒落紳士が来たあ、思うて、丁重に対応してくれんのや」




「しかし、そのパジャマの臭いで(『匂い』ではなく『臭い』ですので、間違いなきよう)、女性行員もクラクラしたことでしょう」

「まあ、何ヶ月も、ベッドの中は勿論、起きてウチにいる時も、外出する時もパジャマ着たままやからな。洗濯すんのは、よーて3-4ヶ月に一回くらいや」

「先生は、お若い頃も、パジャマで外出して女性たちをクラクラさせていたのですか?」

「アンタ、アホちゃうか?若い頃に、そないなことせんがな。けど、『プレリュード』でクラクラはさせたでえ」

「え、『プレリュード』でずっと寝起きし、風呂も入らずにいて、『プレリュード』も臭くしていたのですか?」

「ちゃう、ちゃう」



(続く)




2021年8月22日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その188]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ホイホイ!プレリュード]



「へ?….では、『ブルーバード』より更に『大人』な『セドリック』か『クラウン』にでもお乗りになったのですか?」


と、生徒エヴァンジェリスト氏が、ビエール・トンミー先生宛にiMessageに送った後、密かに、そしてまさに『屁』を出したことに、ビエール・トンミー先生は勿論、気付かなかった。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次に乗った『ブルーバード』に関するものから、その『ブルーバード』の次にビエール・トンミー先生が乗ったクルマへと移るところであった。


「いや、日産でもトヨタでもあらへん」

「で、ベンツでもないとしたら、BMWかアウディでしょうか?」

「国産車や」

「なーんだ、マツダですか。なるほど、『ロードペーサー』ですね!『ひろまし』愛のなせる技ですね」

「前に、『ロードペーサー』を選んでいーへん、云うたやろ」

「ああ、あの時は、『ビートル』に2台乗った後に選んだのは、『ロードペーサー』ではない、と仰ったのです」



(参考:【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その176]




「『プレリュード』や」

「ああ、ホンダですね」

「なんや、知っとんのか?」

「私たち夫婦の仲人をしてくれた会社の上司(常務取締役でした)も、『プレリュード』に乗っていました。当時、もう60歳近い年齢の方だったと思いますが、随分、若者向けのようなスタイリッシュなクルマにお乗りだと思っていました」

「せや、若いもん向けの格好エエクルマやった。けど、そないな年寄りが『プレリュード』に乗ってたんか?」

「海外生活の方が長かった方で、日本人的な固定観念を持たないお洒落な紳士でしたからね」

お洒落な紳士て、なんや、今のワテみたいやな」





「確かに、パジャマを着て外出する先生は、日本人的な固定観念を持たない、ある種のお洒落な紳士だと思います。魔法少女ちゅうかないぱねま!』ならぬ『変態老人ちゅうかなぱじゃま!』というところでしょうか」

「はあ?」



(続く)




2021年8月21日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その187]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ユージローなブルーバード(続き12)]



「態と『シンソ』と仰いましたね」


とでいう生徒エヴァンジェリスト氏からビエール・トンミー先生宛のiMessageには、意地悪さが込められているようであった。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次に乗った『ブルーバード』に関するものとなっていたが、『ブルーバード』は『石原裕次郎』と関係があることを説明したところ、生徒エヴァンジェリスト氏は、その『石原裕次郎』が興した石原プロには『理念』、『思想』があったことを云い、そこから何故か、『地方銀行』について、更に、かつて『荘内銀行』の頭取であった『町田睿(まちだ・さとる)』という人物が述べた『擬似エクイティ融資』とも云うべきことについて、語っていたのであった。その際に、エヴァンジェリスト氏が出した『信用組合』と云う地域金融機関の略称について、ビエール・トンミー先生は、『シンソ』と云ってしまったのだ。


「へ?....あ、おお、分ったかいな」

「信用組合のことを『シンソ』という人もいますが、正しくは『シンクミ』です」

「おお。その通りやで。アンタ、やっぱり分っとったようやな」

「遠藤久美子が長く信用組合のCMをしていたのも、だから、だと思います」

「だから?」

「またお惚けを。先生は、ご存じと思いますが、遠藤久美子って『エンクミ』って呼ばれてますからね」

「アンタ、そこまで知っとったか」

「要するに、第一地銀、第二地銀、信用金庫や信用組合を含めた地域金融機関は、自己資本が脆弱な多くの地元の中小零細企業を支える存在であるので(即ち、地域経済を支えることを使命とするが故に)、『町田睿(まちだ・さとる)』さんは、『擬似エクイティ融資』的な考えを述べられたのだと思います」

「アンタの思うとる通りやあ思うで」

「『町田睿(まちだ・さとる)』さんのお考えに、私は、『地方銀行』たる存在の『理念』、『思想』を感じました」

「アンタ、不思議なやっちゃなあ。フランス文学修士やのに、IT関係に詳しく、しかも、なんか知らんが、『地方銀行』のことも詳しいんは、なんかおかしいで。しかも、オゲレツやのに」

「私、分りました」

「は?何が分ったんや?」

「先生が、『ビートル』の次に『ブルーバード』をお選びになった理由です」

「どういう理由や?」

「『子ども』から、『大人』へと変身されたのですね!」




「はああ?ワテは、『ビートル』乗っとった時、もう『大人』やったで」

「いえ、先生が『ビートル』にお乗りになるようになったのは、アメリカの西海岸の流行の影響を受けたからでした」

「まあ、せやな」

「それって、『子ども』です。しかし、先生は、『ブルーバード』が登場する石原プロモーションの『栄光への5000キロ』に『理念』、『思想』があることを感じられ、共鳴され、『ブルーバード』に乗ることにされたのでしょう!」

「うーむ、せやかったなあ?」

「仕事というものは、それが仮に自分が好んで就いた仕事ではないとしても、世の中のどんな仕事にも、その仕事が持つ社会的役割があるはずです。そして、そこには、『思想』なり『理念』なりがあるはず、あるべきであり、人は、その『思想』と『理念』を意識して仕事に臨むべきだろうと、思います。『思想』と『理念』とを持った商品、『思想』と『理念』とを持った営業は、他がなかなか真似できません」

「おお、それはまさに『マーケティング』の極意であるぞ。ワテは、天下のハンカチ大学商学部出身やから、そこんとこはよう知っとるんや」

「かくして、先生は、『ブルーバード』によって、アメリカの西海岸の流行の影響を受けるような『子ども』から、『大人』へと変身されたのですね!」

「まあ、『ブルーバード』は、『大人』のクルマなんは確かやな。父親の形見やったが、まだ新車やったし結構、豪華で格好エカッタから、ワテ、気に入ってたで」

「そして、『ブルーバード』の次に、更に『大人』な『ベンツ』に乗るようになられたのですね」

「ちゃうで」



(続く)