2021年8月21日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その187]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。


ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。



[ユージローなブルーバード(続き12)]



「態と『シンソ』と仰いましたね」


とでいう生徒エヴァンジェリスト氏からビエール・トンミー先生宛のiMessageには、意地悪さが込められているようであった。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次に乗った『ブルーバード』に関するものとなっていたが、『ブルーバード』は『石原裕次郎』と関係があることを説明したところ、生徒エヴァンジェリスト氏は、その『石原裕次郎』が興した石原プロには『理念』、『思想』があったことを云い、そこから何故か、『地方銀行』について、更に、かつて『荘内銀行』の頭取であった『町田睿(まちだ・さとる)』という人物が述べた『擬似エクイティ融資』とも云うべきことについて、語っていたのであった。その際に、エヴァンジェリスト氏が出した『信用組合』と云う地域金融機関の略称について、ビエール・トンミー先生は、『シンソ』と云ってしまったのだ。


「へ?....あ、おお、分ったかいな」

「信用組合のことを『シンソ』という人もいますが、正しくは『シンクミ』です」

「おお。その通りやで。アンタ、やっぱり分っとったようやな」

「遠藤久美子が長く信用組合のCMをしていたのも、だから、だと思います」

「だから?」

「またお惚けを。先生は、ご存じと思いますが、遠藤久美子って『エンクミ』って呼ばれてますからね」

「アンタ、そこまで知っとったか」

「要するに、第一地銀、第二地銀、信用金庫や信用組合を含めた地域金融機関は、自己資本が脆弱な多くの地元の中小零細企業を支える存在であるので(即ち、地域経済を支えることを使命とするが故に)、『町田睿(まちだ・さとる)』さんは、『擬似エクイティ融資』的な考えを述べられたのだと思います」

「アンタの思うとる通りやあ思うで」

「『町田睿(まちだ・さとる)』さんのお考えに、私は、『地方銀行』たる存在の『理念』、『思想』を感じました」

「アンタ、不思議なやっちゃなあ。フランス文学修士やのに、IT関係に詳しく、しかも、なんか知らんが、『地方銀行』のことも詳しいんは、なんかおかしいで。しかも、オゲレツやのに」

「私、分りました」

「は?何が分ったんや?」

「先生が、『ビートル』の次に『ブルーバード』をお選びになった理由です」

「どういう理由や?」

「『子ども』から、『大人』へと変身されたのですね!」




「はああ?ワテは、『ビートル』乗っとった時、もう『大人』やったで」

「いえ、先生が『ビートル』にお乗りになるようになったのは、アメリカの西海岸の流行の影響を受けたからでした」

「まあ、せやな」

「それって、『子ども』です。しかし、先生は、『ブルーバード』が登場する石原プロモーションの『栄光への5000キロ』に『理念』、『思想』があることを感じられ、共鳴され、『ブルーバード』に乗ることにされたのでしょう!」

「うーむ、せやかったなあ?」

「仕事というものは、それが仮に自分が好んで就いた仕事ではないとしても、世の中のどんな仕事にも、その仕事が持つ社会的役割があるはずです。そして、そこには、『思想』なり『理念』なりがあるはず、あるべきであり、人は、その『思想』と『理念』を意識して仕事に臨むべきだろうと、思います。『思想』と『理念』とを持った商品、『思想』と『理念』とを持った営業は、他がなかなか真似できません」

「おお、それはまさに『マーケティング』の極意であるぞ。ワテは、天下のハンカチ大学商学部出身やから、そこんとこはよう知っとるんや」

「かくして、先生は、『ブルーバード』によって、アメリカの西海岸の流行の影響を受けるような『子ども』から、『大人』へと変身されたのですね!」

「まあ、『ブルーバード』は、『大人』のクルマなんは確かやな。父親の形見やったが、まだ新車やったし結構、豪華で格好エカッタから、ワテ、気に入ってたで」

「そして、『ブルーバード』の次に、更に『大人』な『ベンツ』に乗るようになられたのですね」

「ちゃうで」



(続く)




0 件のコメント:

コメントを投稿