<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[『初めて』を捧げたビートル(続き8)]
「何を想像されたのですか?先生は器の大きい方だ、という意味ですよ」
という生徒エヴァンジェリスト氏のiMessageからは、皮肉が込められた笑いが感じられたかもしれない。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が最初に乗っていたクルマである『ビートル』関するものとなり、『ビートル』のアメリカでの広告を担当した会社『DDB』や『Think small.』という広告を紹介したところ、エヴァンジェリスト氏は、それを皮肉るような言辞を弄してきたのだ。
「もう、アンタのゴタクは沢山やで。その点、『DDB』は大したもんや。『Think small.』の他にも、『フォルクスワーゲンに必要な水は、洗う水だけ』ちゅう広告もあったで。『ビートル』は、空冷やから走るのに水は要らんのや」
「『オゲレツなエヴァンジェリスト氏に必要な友は、変態のビエールだけ』なんて感じですね」
「どこが、『な感じ』や。無視するで。『Lemon.』ちゅう秀逸な広告もあったで」
「『DDB』は、『サンキスト』の広告も作ってたんですか?」
「ちゃう、『ビートル』の広告や」
「なるほどお。『ビートル』って、形は、ビートル(カブトムシ)というよりも、むしろレモンに似てますものね」
「アンタは、フランス文学修士やから知らんのやろな。まずな、ビートル(beetle)も正しくは、カブトムシだけやのうて、甲虫類のことを云うんやで。で、肝心の『Lemon』は、英語のスラングで『不良品』ちゅう意味なんや。『ビートル』にちょっとした不良があったことを正直に云うて、『ビートル』は、そんなちょっとした不良があるもんも出荷せえへんで、とした広告や」
「おお、『DDB』ってさすがです!『プロの旅人』や私に通じるところがあるんですね!」
「どこをどないしたら、『DDB』とアンタや『プロの旅人』とが通じるんや」
「私にしても、『プロの旅人』にしても、自らがオゲレツであることを隠しません。素直にそれを認めています。『Lemon.』と同じなんです。自らの非を認めること、自らの醜悪な部分(つまり、自身の『闇』)を認めること、そこにこそ、光が差すのです!」
「アンタは、ホンマに何でも、自分の都合のエエ方に強引に話を持っていくな。ある意味、天才やで」
「私、『レモン・エヴァンジェリスト』に名前変えましょうか?」
「勝手にしいや。まあ、『Lemon』は、アンタの修士論文『Fraçois MAURIAC論』のテーマ『己を見る』に通じるところがないとも云えんことはないかもしれへんかもしれへんいう可能性を否定することまではできひん、ちゅうところやな」
「ああ、先生は、私の『Fraçois MAURIAC論』の影響を受けておいでなのですね!」
「図の乗るんやないで。ワテが影響を受けたんはなあ…」
(続く)
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