【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男［その176］

 

＜注意＞

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。

西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。

長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。

ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる（あくまで個人としての評価だ）。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。

［ユージローなブルーバード（続き）］

「ああ、やはり、先生には、『ひろまし』愛がおありなんですね」

と、エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生へのiMessageで、くどく『広島』を『ひろまし』と云い張る。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次に乗った『ブルーバード』に関するものとなっていたが、エヴァンジェリスト氏は、先生が『ブルーバード』を選んだのは『広島』愛からだろうと云うのだ。

「もう『ひろまし』云うんは、止めえな。どないして、ワテに『広島』愛がある、云うんや？」

「だって、あれだけお気に召していた『ビートル』に2台乗った後に『ブルーバード』をお選びになったのでしょう？」

「はあん？『ロードペーサー』にしたんなら、ワテに『広島』愛がある、云うんも分らんではないけどなあ」

「おおお、『ロードペーサー』ですかあ！先生、よく覚えておいでですねえ」

「アンタがしつこく『エエでえ、エエでえ』云うてきたんやんか」

「ええ、『ロードペーサー』って、マツダの最高級車でしたからねえ」

「まあ、全然、売れへんかったらしいが、ワテが『ビートル』の後にマツダのクルマでも選んだんなら、『広島』愛がある、云うんも分らんでもないけど、『ブルーバード』は、云うまでものう日産のクルマやで」

「だってえ、『チルチル・ミチル』でしょ？」

「何、シナ作って可愛こぶってんねん。気持ち悪いで」

「先生って、すごーい！iMessageなのに、アタシの様子がお見えになるのね！」

「何が『アタシ』や。もう寒気が酷うて鳥肌が立ったやないけ」

「アタシ、鶏皮が好きなの。食べちゃおうかしら」

「や・か・らあ、止めえや、気色悪いんは。どうでもエエが、何が『チルチル・ミチル』やねん。『ブルーバード』で『青い鳥』、『青い鳥』やから『チルチル・ミチル』云いたいんは分るで。けど、それがどねして『広島』愛になるんや？」

「『チルチル』はどうでもいいんです。大事なのは、『ミチル』です」

「ああ、なるへそ。『チルチル・ミチル』は、兄妹やんか。ワテも、アンタ知っての通り、妹がおる」

「おお、そうだ！妹さんも広島皆実高校ご出身でしたね！」

（続く）