<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイホイ!プレリュード(続き5)]
「え?『白鳥ゴー』?」
と、生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生宛のiMessageで疑問符を打った。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、『女子大生ホイホイ』とも云われた、その『プレリュード』の『リトラクタブル・ヘッドライト』が格好良く、獲物である女子大生受けもしたのではないか、とエヴァンジェリスト氏が問うたところ、ビエール・トンミー先生は、『白鳥号』という名前を持ち出してきたのだ。
「そうや。ワテは、ワテの『プレリュード』を『白鳥号』と命名したんや。白い『プレリュード』やったし、走る姿が美しく流麗やったさかいな。これにオナゴが一杯乗り込んできたで」
「ああ、先生は、ご自分の『プレリュード』を『白鳥号』と命名し、悦に入っていらしたのですね。女子大生を取っ替え引っ替え乗せて」
「なんかトゲのある云い方やなあ」
「私、先生は、『ブルーバード』で大人の仲間入りをされたものと思っていましたが、残念です。『プレリュード』で、子どもへの逆戻り、というか、サカリのついた豹になられたのですね」
「『ブルーバード』がエンジンオイルの点検不足で走行中にエンジンが焼き付き、オシャカになったさかい、次のクルマを買うたんや。その時、一番格好エカッタのが『プレリュード』やったんや。即決で買うたな」
「ただ格好良かったから、なのではなく、『女子大生ホイホイ』なクルマだったからでしょう?」
「純粋に格好エカッタからやけど、ワテ、その時、まだ独身やったんやで。31歳にはなってたけど、まだまだオナゴに興味あったかてしゃーないやろ」
「理性が欲望に負けていたのですね」
「あんな、67歳になってもまだ、『んぐっ!』しまくっとるアンタに云われとうないで。でもやなあ、ワテの『プレリュード』に乗ってきたオナゴたちの方は、『んぐっ!』やったんは確かやな」
「『リトラクタブル・ヘッドライト』で『プレリュード』という罠にかかった女子大生たちの苦悶と見えた表情が実は、喜悦の表情だった、ということなんですね」
「ワテの『プレリュード』のヘッドライトは、片方ずつ連続して上げ下げデケルというワテのクルマだけの特技があったで。特技いうよりも秘儀やな。ウインクしとるようで面白いかったで」
「おお!先生の『プレリュード』は、先生と一体化していたのですね!女子大生たちは、それが、ヘッドライトのウインクなのか先生のウインクなのか判別不能なまま、そのウインクに吸い寄せられるように、気付くと、『プレリュード』の『魔』の助手席に座っていた、ということなんですね」
(続く)
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