<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイホイ!プレリュード(続き4)]
「あんなあ。誰が、トラクター云うたんや」
と云うビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageには、諦めの色が滲んでいるようでもあった。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』に関するものとなっていたが、先生がその『プレリュード』に関して、『リトラクタブル・ヘッドライト』が格好良かった、と云ったところ、エヴァンジェリスト氏は、それを『トラクター』と理解してみせたのだ。
「また得意の『文字を見て聞き間違い』したんかいな。ワテは、『リトラクタブル・ヘッドライト』云うたんや」
「なんですか、その『リトラクタブル・ヘッドライト』って?」
「日本語で云うたら、『格納式前照灯』や。つまり、ヘッドライトが普段は、ボンネットの中に隠れとって、光らせる時だけ、パカっと出てくるやっちゃ」
「ああ、なるほどお。豹が獲物(女子大生)を嗅ぎつけて目覚め、鎌首をもたげて眼を光らせるように、ヘッドライトが、ボンネットから出てきてピカッと光るのですね。まさに先生の心を体現するヘッドライトですね!」
「ああ、その当時のスポーティカーの流行りでんねん。フロント部分がスッキリするし、ライト点灯の時ガバッとランプが立ちあがるの格好エエやんか。せやけど、今はアカンのや。衝突安全性の『クラッシャブルゾーン』に難有りちゅう理由やな」
「ええ?ええ、ええ、ええ?『クラッシャー・リソワスキー』と『ディック・ザ・ブルーザー』ですか?『リトラクタブル・ヘッドライト』は、あのタッグ・チームに壊されたのですか?あの2人、共にごっつい体で、最凶タッグとも呼ばれて…」
「やめえな。なんか知らんが、また強引にプロレスラーを持ち出したんやな。でもその手には乗らへん。その2人が誰か訊かへんさかいな。ええか、『クラッシャブルゾーン』ちゅうんはな、クルマが衝突した時に変形して衝撃を吸収する部分のことや。『リトラクタブル・ヘッドライト』は、そこんとこがアカンでえ、ちゅう規制が今はあるんや。まあ、『リトラクタブル・ヘッドライト』やと、空気抵抗的にも良くないから燃費悪くなるしな」
「『リトラクタブル・ヘッドライト』って、なんか格好良くって、獲物である女子大生受けもしたのではないかと思いますがねえ」
「せや、『白鳥号』や」
(続く)
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