<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイラーなベンツへ(続き6)]
「ああ、ドイツにも行ったでえ」
と、生徒エヴァンジェリスト氏宛にiMessageを送りながら、ビエール・トンミー先生の眼は、遠い昔に向っているようであった。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』からベンツに乗り換えた事情説明となり、ベンツは平気で150キロ位速度出る、という先生の説明に、エヴァンジェリスト氏が高速道路で150キロのスピードを出していいのか、と追及してきたので、それはドイツの話、と先生はかわそうとするところであった。
「ドイツには、1992年に、会社の『研修』という名の『ご褒美旅行』で行ったんや。場所はハンブルクや」
「え?ハンブルクにハンバーグの作り方を習いにでも行かれたんですか?」
「『ハンブルク』が『ハンバーグ』の語源なんはそうやが、なんでワテが、ハンバーグ作らなあかんねん?もう30年も前のことやさかい、よう覚えとらへんが、『流通と情報処理の関係の何とか』ちゅうテーマの研修やったんや。行ったのは、ハンブルクだけやないで。ストックホルムとかイェーテボリ、へてから、トロント、シカゴ、ミネアポリスも回ったんや」
「おお、世界一周とまでは行かないまでも、世界周遊の旅だったのですね。さぞかし楽しい旅だったのでしょうね?」
「それが、ホンマ、よう覚えとらんのや」
「せっかくあのスウェーデンにいらしたのに、ですか?」
「なんや、その『あのスウェーデン』ちゅうんは?」
「うふっ…」
「なんや、その含み笑いは。気色悪いで」
「だってえ、スウェーデンって、『フリーなんとか』の国でしょう?」
「アンタあ、云うにことかいて、何、云い出すねん」
「そりゃまあ、1992年って、結婚されて間もない頃だったでしょうから、日本で待つ奥様のことも気にはかかっていらしたでしょうが、そこはそれ、先生も男性でいらっしゃいますからねえ」
「あんなあ、実体は『ご褒美旅行』いうても、一応、仕事の『研修』やで」
「先生、仕事での海外出張であっても、夜は自由時間、旅の恥はかきすて、と『お楽しみ』のビジネスマンは少なくはない、と思いますよ」
「ワテはちゃうで。ストックホルムで覚えとんのは、パスタの一人前が巨大で食べきれんかったことくらいや」
(続く)
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