<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイラーなベンツへ(続き10)]
「おお、アンタもトロント出張の時、ナイアガラの滝、行ったんか?」
と、ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏の宛にiMessageを送りながら、ナイアガラの滝の水しぶきを思い出していた。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』からベンツに乗り換えた事情説明となり、ベンツは平気で150キロ位速度出る、という先生の説明に、エヴァンジェリスト氏が高速道路で150キロのスピードを出していいのか、と追及してきたので、それはドイツの話、と先生はかわそうとしたところ、先生の海外出張でのことへと話は逸れ、今は先生が行ったナイアガラの滝に及んでいた。
「行きません。先生と違い、私の場合、本当に仕事での出張でしたからね」
「アンタ、オゲレツのくせに、意外に真面目なんやな。ナイアガラの滝はエカッタでえ。トロントからナイアガラの滝まで行って、滝の裏側まで行ったんや。黄色いカッパ着て船で滝まで近づいたでえ」
「きっと凄い迫力だったんのでしょうねえ?」
「ああ、凄いなんてもんやなかったでえ」
「女性たちは、『キャーッ、キャーッ』と大変だったでしょう?」
「なんや、またオゲレツに持ってこうとしとるな。船ん中で隣の金髪の若い女性は、確かに、『キャーッ、キャーッ』云うとった」
「やはりそうでしたか。ふふ」
「滝に近づくと、水しぶきを浴びてまうんやが、風も強うて、カッパのフードも脱げて、頭、顔もびしょ濡れになんのや」
「予め濡れてしまったのですね」
「何が『予め』や。まあ、聞きいな。強い風と水しぶきを受けた隣の金髪女性は、『ギャーッ』と云うて、ワテの方に倒れこむようにして、ワテの股間に顔を近づけたんや」
「おお、なんと!」
「そん時や。『オー、モンディユー』ちゅうようなことを云うたんや」
「な、な、なんと!」
「ふふ、やっぱり勘違いしたな。『オー、モンデヤルウ!』と云うたと思うたんやろが、ちゃうで。『オー、モンディユー』ちゅうような、なんか叫び声を上げただけや」
「勘違いしてませんよ、先生。ふふ」
(続く)
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