<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイラーなベンツへ(続き20)]
「は?なんで、ここで警官が出てくんねんな?」
という生徒エヴァンジェリスト氏宛のiMessageで、ビエール・トンミー先生は、面倒臭そうに疑問を呈した。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』からベンツに乗り換えた事情説明となり、『ベンツのブレーキのポリシー』と聞いて、エヴァンジェリスト氏は、『おお、警官ですかあ!』と的外れなことを云い出したのだ。
「ワテは、『ベンツのブレーキのポリシー』云うたんやで」
「だから、『ポリス』でしょ?『ポリス』って、警官ではないですか」
「もうエエ加減、その『読んだ文字の聞き間違い』ちゅうん、止めへんか」
「だってえ、爆走するベンツでさえストップさせる警官的な役割をする機能の説明をなさるのではないのですか?」
「アンタあ、『だってえ』と、甘えたような巫山戯た云い方しといて、ホンマは分ってんのか?確かに、爆走するベンツをストップさせる機能のことを説明したろかあ、思うとったんや」
「どうやってストップさせるのでしょう?爆走する先生をストップさせることは不可能のように思えますが、ベンツは爆走しても、ストップさせられるのですか?」
「ほな、教えたろか。ええか、確実にクルマを止めるんには、ブレーキパッドを削りながら止めんのや。ブレーキパッドは完全な消耗品やな」
「おお、パッドですか!パッドで止めるんですね!」
「アンタ、パッド知ってんのか?」
「ええ、幾度かイオンに買いに行ったことがあります」
「はあん?イオンに売っとったかいなあ…」
「広島のイオン宇品店です。父が使うので、買いに行きました。長男夫婦に見捨てられて独居老人となった父の代わりにです。父は、外出もうできなくなっていましたので」
「ああ、アンタのお父はん、クルマ関係者ちゅうか、マツダの設計技師やったもんなあ。歳とりはってからも運転されとたんやなあ」
「マツダではなく、『トーヨー』(東洋工業)ですが」
「またかいな。いちいち五月蝿いで」
「90歳近くまで運転していました。何度か、乗せてもらいましたが、怖かったです。ある時、実家のあった翠町から広島空港まで送ってやる、と云うので、丁重に断ったものの、送って行くときかず、仕方なく送ってもらいましたが、恐怖の1時間でした」
「運転、下手になりはったんか?」
「下手になったと云うか、矢鱈、ブレーキを踏み、クラクションを鳴らすのです。高齢で自身の反応が鈍くなっている自覚があり、気を付けていたのでしょうが、乗せてもらっているこちらは、恐怖でした。でも、さすがに90歳になる前には、運転するのを止めました」
「んん?アンタのお父はんが、独居老人となったんは、90歳超えてからやなかったか?もう外出もでけんようになってはったんやろ?」
「そうです」
「ええ、運転せえへんようになりはったのに、アンタ、ブレーキパッド買いに行ったんか?いやいや、普通、スーパーにブレーキパッド売ってへんで。自転車のやないで」
(続く)
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