<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイラーなベンツへ(続き9)]
「CNタワーに戻って、マフラーをお探しになったのでしょう?」
と、生徒エヴァンジェリスト氏の妄想は、ビエール・トンミー先生宛のiMessageで続いていた。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』からベンツに乗り換えた事情説明となり、ベンツは平気で150キロ位速度出る、という先生の説明に、エヴァンジェリスト氏が高速道路で150キロのスピードを出していいのか、と追及してきたので、それはドイツの話、と先生はかわそうとしたところ、先生の海外出張でのことへと話は逸れ、生徒エヴァンジェリスト氏は、スウェーデンに続き、トロントでも、先生が『楽しんだ』と妄想していたのだ。
「ああ、せやけど」
「で、あの女性が、『Monsieur』と話しかけてきたのですね」
「誰や、あの女性って?」
「ふふ、係の女性ですよ」
「CNタワーの展望台に係の女性なんかおったかなあ?おったとしても、なんでワテに『Monsieur』と話しかけてくんねん。トロントは、確かにいろんな表示にフランス語も書いてあったけど、基本は英語圏やで」
「そりゃあ勿論、先生からフランスの香りが漂っていたからですよ」
「まあ、あん頃は、家内とフレンチ食べに行ってフランス・ワイン飲むことも割とあったさかい、体からフランス・ワインの香りが滲み出とったかもしれへんな」
「でしょう!それで、『Monsieur』と話しかけられ、先生が、『Oui, SNCF!』とお答えになったところ、『Oh!Monsieur SNCF!コレ、アナタノマフラーデハナイデスカ?』とマフラーを差し出されたのでしたね」
「はああん?差し出されてへん。マフラーは展望台の隅の床に落ちたまんまやったんや。それに、なんで、『Oh!Monsieur SNCF!』の後、『コレ、アナタノマフラーデハナイデスカ?』と、フランス語やのうてカタカナになんねんな?」
「そこはそれ、読者に解りやすいように、ですよ」
「読者?なんや、やっぱり、このiMessageの交換を….」
「で、その係の女性にホテルの名前とルーム・ナンバーを知らせたんですね?」
「妄想もエエ加減にしいな。トロントでは、落としたマフラーを拾って、ホテルに帰って、大人しゅう過ごしただけや。なーんも、おもろいこともエエこともあらへんかった。トロントの後に行ったナイアガラの滝は圧巻やったがな」
「おお!ナイアガラの滝ですか!」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿