<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
ビエール・トンミー先生は、時に、ベンツ以外のクルマについても忌憚なき発言をされる(あくまで個人としての評価だ)。この場合も、その対象が『評価』をするに値するクルマだからである。
[ホイラーなベンツへ(続き16)]
「何、鼻鳴らしてんのや」
と、ビエール・トンミー先生は、iMessageで生徒エヴァンジェリスト氏に対し、不快を伝えた。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ビエール・トンミー先生が『ビートル』の次の次に乗った『プレリュード』からベンツに乗り換えた事情説明となり、ベンツは平気で150キロ位速度出る、という先生の説明に、エヴァンジェリスト氏が高速道路で150キロのスピードを出していいのか、と追及してきたので、それはドイツの話、と先生はかわそうとしたところ、先生の海外出張でのことへと話は逸れ、今度は先生が行ったミネアポリスの『モール・オブ・アメリカ』で、マダム・トンミーにお土産として頼まれていたシュタイフのテディ・ベアを買ったということについて、エヴァンジェリスト氏は、『ふんっ』と鼻を鳴らしたのだ。
「随分、長い説明、いや、長過ぎる言い訳でしたね」
「言い訳ちゃう。ホンマのことや」
「言い訳でなければ、嘘なんでしょう。人は、嘘をつく時、矢鱈喋るものですからね」
「う、う、嘘なんか、ついてへん!」
「『公式見解』ということ自体が、『非公式』というか『非公開』な事実があることを示唆しています」
「ワテ、ホンマに熱心に『シュタイフのテディ・ベアを買おう』としたんや。せやけど、見つからへんかったんや。確かに、『ザ・モール・オブ・アメリカでシュタイフを買うた』いうんは、嘘や。でも、アンタには嘘ついてへん。ちゃーんと、『日本で買うた』と云うたやろ」
「先生、先生のiMessageには汗が滲んでますよ」
「えっ…」
「先生は、『己を見る』方です。私は、先生を信じます。真実をお話になる先生を信じます」
「うっ…そか、そやな。ああ、『ザ・モール・アメリカ』で買えんで、日本で買うたんは、ホンマや。でもや、日本で買うたんは、シュタイフのテディ・ベアやあらへん。『なんちゃってシュタイフ』や」
「つまり、ニセモンで、『ボタン・イン・イヤー』、『タグ』はついてなかったのですか?」
「『ボタン・イン・イヤー』、『タグ』こそ、シュタイフの象徴やないかい。その『タグ』が欲しいさかい、シュタイフを買うと云い換えてもエエくらいや。せやから、『なんちゃってシュタイフ』に『ボタン・イン・イヤー』『タグ』が付いとる訳ある訳ないやん」
「おお、開き直りですね。奥様は、シュタイフの特徴をご存じなかったのですね。でも、バレたら奥様の逆鱗に触れてしまうことになったでしょうね」
「いや、逆に高価なホンマもんのシュタイフを日本で買うたら家内にシバキ倒されるがな。あの熊の縫いぐるみはやなあ、日本で買うと馬鹿みたいに高いんや。いくらワテでもそこまで馬鹿やないで」
「私、先生が奥様にシバキ倒されるところ見てみたい気がします」
「アンタ、家内を知らんからや。アンタが思うような生易しいシバキやないんや」
「奥様は、とても美しくて、且つ、品のある温厚な女性だったと思いますが」
「それはその通りやが、別の顔ちゅうもんがあんのや。せやから、『ザ・モール・オブ・アメリカでシュタイフを買うた』いうことにしといて欲しいんや。ハンブルクでも探した、いうんも、そういうことにしといてや」
(続く)
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