「それをワシの口に云わせるのか?照れるじゃないか」
と、iMesage上ながら、エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員に対して、言葉通り、照れて見せた。
ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員に、『石原プロにいた「齋藤厚子」さんが、どうして今、アナタを「舘プロ」に引き摺り込むのですか?』と問われたのだ。
「いえ、そういうことではありません。アナタご自身が仰るまでもないことなのは、承知しています。ええ、あの時、アナタが石原プロ入りしていれば、石原プロは解散することなく、今も存在し、いや、ただ存在するだけではなく、再度、黄金期を迎えたであろう、と云われていることは存じ上げています。アナタには、ぞれだけのスター性があることは、悔しいですが、認めざるを得ません」
「いや、ワシももう70歳を目前にした爺さんじゃ」
「水谷豊だって、もう70歳ですよ。でも、まだ第一線で活躍されています。そうだ!アナタ、水谷豊の後継者として『相棒』の主演をするのではないかとも噂されていますよね!?」
「いや、『豊さん』からは、まだ何も云われていないぞ」
「『豊さん』?まだ?...いや、そういうことではなくって、アナタが芸能界で待ち望まれている存在であることは分っていますが、私がお訊きしたいのは、アナタを芸能界に誘うのが、『齋藤厚子』さんなのか、ということなんです。『齋藤厚子』さんはもう、石原プロにはいないんでしょう?」
「ああ、君は知らんのか。君の取材対象はアイツで、アイツは芸能界に興味は全くないからなあ。仕方ないだろう。教えてやろう。『齋藤厚子』さんは今、『舘プロ』にいらっしゃるはずなんだ。確か、常務取締役ではなかったかな?」
「ああ、そういうことなんですね」
「『舘プロ』は、石原プロと同じように、「十勝製餡(あん)」の「十勝おはぎ」を差し入れに使うそうで、どうやら石原プロのDNAを受け継いでいるらしいから、ワシを『舘プロ』に、という『齋藤厚子』さんの気持ちは、分らんではないんだが…」
(続く)
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