「いえ、私、『舘プロ』の常務取締役である『齋藤厚子』さんが、アナタを『舘プロ』に誘っている、とは申し上げていませんが…」
と、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、少々面倒臭くなってきた感を漂わせるiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。
「『厚子さん』は、ワシの携帯の電話番号はご存じではないだろうからなあ」
「あ、それって、『まき子夫人』の時と同じ、お得意のセリフですね!」
「ワシには今、『スーパー・マン』の任務で忙しいのだ。『スーパー・マン』の任務を怠ると、スーパーのお客さんは、カゴやカートを使うのに困るんだ。だから今は、『ロケベン』を食べている場合ではないのだ。おっ、そうだ。ワシは、そもそも『ロケベン』なんて云っていないぞ。『ロカベン』だ」
「では、『ロカベン』って何なんですか?」
「おお、ようやくちゃんと聞き取ったか」
「何度も申し上げますが、書き文字のiMessageで聞き取りも何もないでしょうに」
「『ドカベン』ではなく『ロカベン』だからな」
「くどい!」
「『ロカベン』は、『ローカルベンチマーク』の略だ」
「ああ、そんな風に言葉をすぐに省略するのは、あの方、大っ嫌いです」
「ああ、知ってるさ。ワシも嫌いだが、『ローカルベンチマーク』を提供する経済産業省自身が、略称として『ロカベン』といっているんだから仕方あるまい」
「これも、お役所関係ですか?」
「そうだ。『ロカベン』は、確か2018年頃からだったかなあ、経済産業省が出した企業の健康診断、というか経営診断ツールなんだ。Excelのシートで、財務分析のシートと商流・業務のフローを整理するシート、非財務のシートからできているんだ」
「あのお、そんなの興味ありませんが」
「ワシも興味はない。財務分析のシートなんか、安全性とか収益性、効率性といった6つの財務指標でレーダーチャート表示する、いかにもな財務診断ツールだ。『ロカベン』は、まあ、対象を主に中小企業としていると思うが、中小企業の財務分析に比率分析は適切ではない。まあ、中小企業の財務の実態を知らない奴が作りそうなシートだ。ふん」
「金融庁の『ベンチマーク』とか経済産業省の『ロカベン』とかが、ベンツのEクラスがベンチマークだということと関係あるのですか?」
(続く)
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