「あれは、絶対、『ナンパ』です!」
と、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、エヴァンジェリスト氏宛のiMessageに自らの確信を込めた。
「あの若い女性は、『フットトランクオープナー』の様子を見ていただけではないんです」
「他に、何かを見ていたというのか?アイツの股間か?」
「うげっ!アナタ、オゲレツにも程というものがありますよ。あの方の股間が、いくら立派だとはいえ…あっ」
「『ベンツは足でトランクが開くんですね』と話しかけられたんだな?」
「ええ、そうです」
「ということは、アイツに近づいてしまって、『臭い』に殺られたんだな」
「え?『臭い』ですか?」
「アイツの股間は、嘗ては、『原宿の凶器』の異名を取っていたらしいんだ」
「おお!『凶器』の放つフェロモンですね!」
「尤も、『原宿の凶器』も今は昔。今では、『昔、原宿にいた今は、小器』に成り下がっているらしい」
(参照:バスローブの男[その102=最終回])
「そうは見えませんでした。まだまだご立派なように…あ、いえ」
「成り下がったとはいえ、今は多分、フェロモンに加齢臭が混じって、ある意味、全盛期以上に強烈な『臭い』になっているのではないかと思う」
「確かに、遠くからあの方の様子を窺っている時に、何か腐ったような臭いが漂ってきたことが」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿