2022年8月30日火曜日

【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その75]

 


「あれは、絶対、『ナンパ』です!」


と、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、エヴァンジェリスト氏宛のiMessageに自らの確信を込めた。


「あの若い女性は、『フットトランクオープナー』の様子を見ていただけではないんです」

「他に、何かを見ていたというのか?アイツの股間か?」

「うげっ!アナタ、オゲレツにも程というものがありますよ。あの方の股間が、いくら立派だとはいえ…あっ」

「『ベンツは足でトランクが開くんですね』と話しかけられたんだな?」

「ええ、そうです」

「ということは、アイツに近づいてしまって、『臭い』に殺られたんだな」

「え?『臭い』ですか?」

「アイツの股間は、嘗ては、『原宿の凶器』の異名を取っていたらしいんだ」




「おお!『凶器』の放つフェロモンですね!」

「尤も、『原宿の凶器』も今は昔。今では、『昔、原宿にいた今は、小器』に成り下がっているらしい」



(参照:バスローブの男[その102=最終回]



「そうは見えませんでした。まだまだご立派なように…あ、いえ」

「成り下がったとはいえ、今は多分、フェロモンに加齢臭が混じって、ある意味、全盛期以上に強烈な『臭い』になっているのではないかと思う」

「確かに、遠くからあの方の様子を窺っている時に、何か腐ったような臭いが漂ってきたことが」



(続く)




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