「相手は、おばさんだったんだ」
と、エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員宛のiMessageに、淡々として含みを持たせない云い方をすることで、相手を怒らせる程の含みを持たせたのであった。
「『相手』?『おばさん』?アナタ、またオゲレツですか?」
「無礼者!相手は、おばさんとはいえ、聖職だったんだぞ!」
「ふん!『性職』ですか?」
「無礼者!あ、いや、『性職』だって、それがちゃんとした仕事なら、無礼というは失礼だな。反省する」
「しかし、あの方が、そんな『プレイ』をお好きだったとは。まあ、あの方、普段は紳士然としてらっしゃいますが、根は変態ですからねえ」
「そうだ、アイツは変態の中の変態、変態界の王様といってもいい存在だ。だが、あれは『プレイ』じゃないぞ。もう一度云うが、アイツは、おばさんに『浣腸』をされたんじゃないんだ」
「あの方は、若い女性がお好きですからねえ。どうせ『浣腸』してもらうなら、おばさんではなく…」
「君は確信犯で読み間違いをしているようだが、おばさんに『浣腸』をされたんじゃない、という表現で否定しているのは、『おばさん』ではな『浣腸』だ」
「ええー!そうだったんですか!あの方は、おばさんに『浣腸』されたんじゃなかったんですね」
「そうだ。ようやく分ったか」
「まさか、あの方がおばさんに『浣腸』した、とは思ってもみませんでした」
「ばっかもーん!よーく聞くんだ。ワシが否定したのは、『浣腸』そのものだ。『浣腸』を『した』とか『された』という、能動、受動の問題ではないんだ。それに考えてみろ。どうして、おばさんに『浣腸』することで、どうしてアイツが悶絶するんだ?」
「だってえ、それは、あの方が変態だからでしょ」
(続く)
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