「(まあ、アイツが余計なことを云い出すから話が逸れるんだが、話が逸れて派生したテーマでも答えられてしまうボクがいけないのかもしれないが)」
と、反省の弁を心中に浮かべたビエール・トンミー氏の表情には、反省の色は全く見られず、むしろ、自己満足なアルカイック・スマイルが頬を歪めた。
と、そこにまた、他人の神経を逆撫でするようなiMessageが友人のエヴァンジェリスト氏から届いた。
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「アンタあ、何しよるん?早う話を、『タジマ』さんと『橘』のことに戻してえや」
「五月蝿いやっちゃなあ。『タジマ』さん、『タジマ』さん云いよるが、もう、『タジマ』さんは、『ケン田島』のことやのうて『田道間守』のことやて分ってんのやさかい、そう云わな。『常世の国』から『橘』を持ち帰ったんは、『ケン田島』やのうて『田道間守』なんやさかいな」
「ほいで、『タジマ』さんが持ち帰った『橘』が、なんで和菓子の元祖なんねえ?」
「『田道間守』は『橘』を持ち帰ったんやが、その時は、『常世の国』に派遣した『垂仁天皇』(すいにんてんのう)はんは、もう亡くなっとって、『田道間守』は、持ち帰った『橘』の半分を『垂仁天皇』の皇后はんにあげて、残り半分を『垂仁天皇』の御陵に捧げて、自分はその場で絶食して殉死したんやそうなんやが、後に、『聖武天皇』はんが、『橘は菓子の長上、人の好むところ』云うたことから、『橘』が和菓子の元祖や、と云われとんねん」
「ありゃりゃ。アンタ、訳の分らんこと云いんさるのお。『橘』は、お菓子じゃのうて果物なんじゃろ?アンタの云うことは、『ジャイアント馬場』が『総合格闘技』の元祖じゃ、云うようなもんでえ」
「その例えの意味するもんは、ワテには分らへんけど、果物である『橘』が和菓子の元祖や、云うんは、論理的やないで、云いたいんやろし、そう思うんんも、まあ、無理はあらへんわな」
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(ふん!アイツの質問なんか、織込み済だ。ふん!)」
と、ビエール・トンミー氏は、罠にかかった動物を侮るような云い方を思った。
(続く)
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