「(しかし、アイツは、本当に失礼な奴だ。『オータニさ~ん』は、野球に興味のないボクでも夢中になる凄い野球選手なのに、その『オータニさ~ん』を、ゲーンー界に疎いボクでもまさに『イヤミ』な感じの男と知っている『トニー谷』と結びつけるなんて!)」
と、ビエール・トンミー氏は、溜息から今度は一転して、憤慨の鼻息を強く吐き出した。
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「アンタ、まさか、ワシが『トニー谷』を『オータニ』と、音が近いだけで無理矢理結びつけようとしとると思うとるんじゃないじゃろうね?」
「ああ、そないに思てるで」
「違うけえ。『トニー谷』は、本当に『大谷』なんじゃけえ。本名は、『大谷正太郎』なんじゃけえ」
「そないなこと知らへんし、どうでもエエことや」
「アンタあ、そうやって、『なんで<金平糖>いう名前なんか?』いう質問をはぐらかそうとしとるんじゃろ!?」
「何やて!アンサン、ホンマ失礼な奴っちゃなあ。ほな、教えたろ、『金平糖』はな、ポルトガル語からきてんのや」
「え!まさか!」
「まさかやあらへん、ホンマやで」
「でも、あの『金平』さんは、ワシらと同じで広島出身じゃし、あっちの『金平』さんは、北海道は旭川の出身のはずでえ」
「は?何や、あっちの『金平』さんとか、こっちの『金平』さんとか?」
「広島出身の『金平』さんは、『金平正紀』さんよおね。ボクシング・事務を経営して、『具志堅用高』とか『西城正三』とか『海老原博幸』とか世界チャンピオンをようけえ作ったじゃろうがいね」
「『具志堅用高』の名前くらい走らんではないけど、ワテ、ボクシングもプロレスも興味あらへんこと知っとるやろ」
「旭川の出身の『金平』さんは、『金平茂紀』よおね。少し前まで、TBSの『報道特集』のキャスターしとってじゃったじゃろう」
「ああ、その『金平』さんやったら、知っとるで。なかなか骨のあるジャーナリストやな」
「でものお、どっちの『金平』さんもポルトガルの人じゃないで」
「アホンダラ!どっちの『金平』さんも『金平糖』とは関係あらへん。『金平糖』は当て字や」
「ええー!そりゃ、いけんねえ」
「は?何がアカンのや?」
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「(アイツ、『金平糖』でまだボケをかましてくるつもりか。『金太郎』のことを知っているんだろうか?)」
と、博識のビエール・トンミー氏は、普通の人間には謎なことを思った。
(続く)
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