「(アイツから聞いたことがある。フランス人は、『フランス中華思想』を持っているそうだからな)」
と、ビエール・トンミー氏は、激務によって病気となり有給休暇をとった友人エヴァンジェリスト氏のことを悪く云ったという『フランス人』という存在について、そのエヴァンジェリスト氏から聞いたことを思い出した。
と、そのビエール・トンミー氏の思いを汲み取ったようなiMessageをエヴァンジェリスト氏が送ってきた。
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「アンタ、フランス人は、身勝手な奴らじゃあ、思うたじゃろ。『フランス中華思想』じゃと」
「おお、思うたで。アイツら、ワテらのことをバカにしてけつかんのや」
「まあ、確かに、そういう要素もなくはなかったかもしれんのんじゃけどね。ワシの友だちの『Jean-François』も云うとったけえ。フランスの地図を見ると、日本なんか、東の外れにある(まさに、極東じゃね)小さい国で、そんなとこの奴がなんならあ、いう気持ちを持つフランス人もおるんじゃと」
「ワテらから見たら、フランスなんか、西の端っこの方にある国やで。エッフェル塔より、東京タワーやスカイツリーの方が高いんやで!」
「でものお、どうやら、ワシとフランス人との間で捉え違いがあったみたいなんよ、『ヴァカシオン』についての」
「なにい?アイツら、アンサンのことを『バカにしよん』やなかったんか?」
「いやの、『SNCF』の大家のアンタは、分っとったじゃろうが、『Vacation』は、フランス語じゃと、『ヴァカシオン』いうんは、正しいような、正しくないようなんよ」
「え?...ああ、そ、そ、そやな」
「『Vacation』は、英語じゃろ?」
「あ!そ、そ、そやな」
「英語の『Vacation』は、フランス語、いうか、フランス語読みしたら、『ヴァカシオン』じゃあ思うんよ」
「おお、そやで」
「でも、英語の『Vacation』は、フランス語では『Vacances』(ヴァカンス)じゃろ?」
「おお、そうや、『バカンス』や!そん通りや!そうか!アイツら、『バカにしよん』やなかったんや。アンサン、『バカにしよん?』ちゅう駄洒落を云いとうて、『Vacation』は、フランス語じゃと、『ヴァカシオン』じゃあ、云うたんやな」
「『バカにしよん?』いう駄洒落を考えたんは、アンタじゃろ?」
「おお、『バカンにスんな!』いうことか?」
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「(アイツ、英語の『Vacation』が、フランス語では『Vacances』なら、最初からそう云えばいいのに、面倒臭い奴だ)」
と、ビエール・トンミー氏の口は、憤然として『へ』の字になっていた。
(続く)
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