「(若い頃は、家内とはラブラブだったし、今も、仲は良くて、よく買い物にも一緒に出掛けるが、『アッチ』の方はもうしばらく…)」
と、ビエール・トンミー氏が、『アッチ』の方同様に、頭を垂れた時、友人のエヴァンジェリスト氏から、垂れた頭を怒りでもたげさせるようなiMessageが届いた。
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「勘違いしんさんなよ。アンタら夫婦が、『ラブラブ』かどうか、いうことじゃないけえ。それに、アンタら夫婦、買い物に一緒に出掛ける時だけじゃろ、『ラブラブ』なんは」
「な、な、なんや!買い物に一緒に出掛ける時『だけ』いうんは!」
「じゃけえ、問題は、そこじゃないんよ。ええね、『Vacation』は、『Vacances』じゃけえ、フランス人は、ワシがよう『バカンス』とる、と思うたんよ」
「ああ…」
「英語でも『有給休暇』は、ただ『Vacation』じゃのうて、『Paid Vacation』とすべきなんかもしれんけど、まあ、それも問題じゃあないんよ」
「アンタ、『仕事依存症』やったやろ。いや、今でもそうやろ。アンタにゃ、『バカンス』なんてあらへんわな。休みの日いでも、仕事してたんやろからな」
「仕事せん休みもあったんじゃけど、それは、風邪ひいたりして熱で寝とったり、娘が産まれたりしたけえじゃったんよ」
「そりゃ、休むんは当然やで」
「ほいでも、フランス人たちは、ワシがよう『バカンス』とる、と悪口云うとったんよ」
「フランス人かて、病気で休むやろ。子どもが生まれたら休むやろに」
「ほいでも、フランス人は、それで『Vacation』はとらんのんよ」
「『バカンス』なんか?いや、『バカンス』は遊びに行く休みやろから、『有給休暇』か?フランス語でなんちゅうか知らんが、あ、いや、ど忘れしてしもたが」
「『congés payés』(コンジェ・ペイエ)じゃないみたいなんよ」
「え?何、『金平糖』?」
「アンタも豪腕じゃねえ。音声メッセージでもないのに、聞き間違いするん?」
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「(しまったあ。つい…でも、アイツが、なんか難しいフランス語を云ってくるから…)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らの迂闊すぎる失態を友人エヴァンジェリスト氏のせいにするしかなかった。
(続く)
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