「(だけど…アイツ、ボケたつもりが、意外とポイントを突いてしまっていることがある。『イチロー』もそうだ)」
と、ビエール・トンミー氏の頭の中で、冷静な解釈が為されて来た時、友人のエヴァンジェリスト氏から、その解釈の正しさを裏付けるようなiMessageがエヴァンジェリスト氏から届いた。
====================================
「『鈴木一朗』は、『鈴木』さんがようけえおるけえ、『イチロー』にしたんじゃろう」
「ワテが野球のことは興味もないし、よう知りもへんが、アンサンの云うことは、半分はちゃうけど、半分はおうとるかもしれへんな。まずはやな、『イチロー』にしたんは、マーケティング的に良かったんじゃあないかあ思うで」
「おお!さすが、天下のハンカチ大学商学部出身のアンタやな」
「ああ、日本のマーケティング界に聳え立つマサ・オウーノ教授が教鞭をとっていた教室の隣の教室で学んだんや。そやから、まずは、マーケティング的に解説したったんや。そやけど、『イチロー』にしたんは、世の中に『鈴木』も『いちろう』もぎょうさんおって、他と区別つきにくい面もあったんやろな」
「ワシ、エエ線、いけたんじゃね!」
「せやけど、鎌倉時代にはもうカタカナはでけてたんやけど、カタカナの名前をつけるようなことがあったとは聞いたことがないで。今の感覚からしたら、『ヨリトモ』とか『キヨモリ』とかしたら格好良かったかもしれへんけどな」
「おお、やっぱりワシ、エエ線、いけたんじゃね!」
「実際には、『平」や『源』では家の区別がつきにくうなって、代りに、それぞれの家が本拠を置く土地の地名が注目されるようになったんや。武士の家が成立するのは土地があるからや。『一所懸命』やな」
「おお、『本拠地』じゃね。広島東洋カープにとっての『MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島』じゃ」
「おお、さすがに文学修士様やな。せや、そん通りや。『一所懸命』は、鎌倉時代にでけた言葉や。武士が、命をかけて所領を守ること、もしくは、その所領のことや。で、アンサンの云う通り『本拠地』やな。それが、『命がけ』の意味で使われるよになって、それが、まあ一種の誤用やろな、『一生懸命』ちゅう間違うた漢字が当てられるようになって、一般化してもうたんや」
「言葉というもんを大事にするアンタじゃけえ、『一生懸命』いう漢字も嫌いじゃし、『スクショ』も、嫌いなんじゃろ?」
「ああ、大っ嫌いや!」
====================================
「(そうだ。『スクショ』なんて言葉、大っ嫌いだ。ちゃんとスクリーンショットと云え!そんな省略は、下品の極みだ!)」
と、また、思わず、思いを心中に留めず、口にしたビエール・トンミー氏の口の端には、泡がついていた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿