2023年5月17日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その125)

 


「(ホント、アイツと話していると、頭が痛くなる、って云うか、頭が痒くなってしまう)」


と思ったビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の発言に苛立ちを隠さないiMessageを送った。



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「アンサンなあ、エエ加減にしいや。さっきから、『イェイツ』と叫んだかあ思うたら、『山口瞳』やら『ジェリー伊藤』、『伊藤道郎』なんかの名前を出してきて、次は、『伊藤道郎』は『鷹』じゃとか、『妖精』とか『鷹の井戸』とか、ホンマ、訳の分らんことばっかし、云うてくるんやのう」

「おお!!!!!そうなんよ!アンタあ、さすがじゃあ!」

「お、お。おい、おい、おい。また、急に叫びなや。けど、ワテのどこが、『さすが』なんや?」

「アンタ、今、『のう』云うたじゃろ」

「え?云うたか?ああ、語尾やな」

「アンタあ、『鷹の井戸』が『能』じゃと知っとったんじゃね」

「は?ああ、ああ、せやで。『鷹の井戸』がなんで『能』なんか、あンタも知っとんのやな。説明させたるさかい、云うてみ。前提として、『鷹の井戸』が何か、『伊藤道郎』が『鷹』いうか『鷹のような女』じゃあいうんも説明すんのやで」

「ほうねえ。説明させてくれるん、ワシに。ほいじゃあ、先ず、『鷹の井戸』じゃけど、アンタも知ってる通り、アイルランドの詩人『イェイツ』の有名な戯曲じゃろ?」

「え?ほうやったんか….あ、いや、せや、せや。『鷹の井戸』は、『イェイツ』はんの有名な戯曲や」

「で、『伊藤道郎』は戦前から世界で活躍したダンサーいうか『舞踏家』じゃろ。間違えんさんなよ、『武闘家』じゃないけえね」

「このアホが。誰が、あの有名な『舞踏家』の『伊藤道郎』はんを『武闘家』やと思うねん」




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「(ああ、そうだったのか。『イェイツ』って詩人だったのか。そういえば、聞いたことがなくはないような気がする…)」


と思い、上目遣いに何かを思い描こうとしたものの、ビエール・トンミー氏は、『イェイツ』について何のイメージも描くことはできなかった。



(続く)






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