「(それにしても、アイツが結局は関係ない話ばかり持ち出してくるから、なんで『オクラホマ・ミキサー』のことを話していたのか、分らなくなった…確か、『オクラホマ』も関係ないと云ってたような…)」
と、ビエール・トンミー氏が、ほんの少し前のことだが、もう別の銀河のことのようにも思える記憶を辿っていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、更に果てにある銀河へと誘うようなiMessageが届いた。
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「『オクラホマ・ミキサー』は『タッキー』(『滝沢秀明』)とは関係ないし、じゃけえ、プロレスとも関係ないんよ。プロレスで『オクラホマ』いうたら『オクラホマ・ミキサー』じゃのうて『オクラホマ・スタンピード』の方じゃしね」
「あんな、ワテ、『滝沢ナンチャラ』のことも、プロレスのことも、どうでもエエんや」
「いやの、問題は、『タッキー』でもプロレスでものうて『オクラホマ』なんよ」
「ああ、『オクラホマ・ミキサー』は『オクラホマ』も関係ないんやったな、確か」
「ほうなんよ。でも、『オクラホマ・スタンピード』は、『オクラホマ』と関係あるんよ。『カウボーイ・ビル・ワット』が考案した技じゃったんよ。『ビル・ワット』は、『オクラホマ』出身なんよ。での、『スタンピード』言うんは、英語で『stampede』で、動物やら人やらがパニックになってどっと同じ方向に走り始めることで、じゃけえ、『オクラホマ・スタンピード』は、『アバラシュ・ホールド』とも呼ばれとるんよ」
「その技で肋(アバラ)が折れようと知ったこっちゃあらへん。プロレスには興味あらへん、云うてるやろが」
「ああ、『アバラシュ・ホールド』が正しい云い方じゃないけえ、怒っとるんじゃね。本当は、『アバランシュ・ホールド』らしいんよ。『アバラシュ・ホールド』は、云い間違えよおね」
「肋(アバラ)が折れるんでも、アンバランスな危険な技でもどっちでもエエがな」
「『オクラホマ・スタンピード』は、ボディ・スラムするみたいに相手を抱えて、そのままリング上を走って、前方に自分の体を重ねるように相手をリングに投げつける技で、日本語じゃと『雪崩固め』いうんよ。『雪崩』は、英語で『avalanche』、そう、『アバランシュ』なんよ」
「そないな説明いらへんて。『オクラホマ』はもうどっか行ってもうたがな。まあ、『オクラホマ』も元々、関係あらへんのやろが」
「ああ、『オクラホマ』なら北海道に行ったんよ」
「はああああ?」
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「(それにしても、アイツ、無茶苦茶行ってくるなあ)」
と、ビエール・トンミー氏は、2020年1月以来、もう3年半は会っていないが、真面目な顔の陰に、友人エヴァンジェリスト氏が隠す北叟笑みを思い出した。
(続く)
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