「(ああ、どうでもいい!『玉置浩二』なんか興味ないし、路面電車は、広島を思い出して懐かしいけど、乗り場のことを『安全地帯』ということは知らなかったし、知ったところで、やっぱりそれもどうでもいいことだ)」
と、ビエール・トンミー氏が、頭を左右に振って、路面電車の乗り場で、マイクを握って熱唱する歌手の姿を脳裏から消そうとした時、友人のエヴァンジェリスト氏から、他人を食ったようなi<essageが入ってきた。
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「へえええ、アンタあ、『玉置浩二』いうか『安全地帯』いうか、そういう存在に、そうように興味あったんじゃね。ワシなんか全然、興味ないんじゃけど」
「はああん?ワテかて興味あらへん!アンサンが、『玉置浩二』とか『安全地帯』とかを持ち出してきただけやないか!」
「いや、ワシは、『玉置浩二』じゃのうて、『オクラホマ・ショティッシュ』を元に『オクラホマ・ミキサー』を作った『玉置』さんのことを話したかったんよ」
「せやったら、その『玉置』さんのことを話したらエエやんか」
「じゃけえ、『オクラホマ・ショティッシュ』を元に『オクラホマ・ミキサー』を作った『玉置』さんは、『一週間のご無沙汰でした』の『玉置宏』でもないし、『安全地帯』の『玉置浩二』でもないけえ、いうて説明したげたんじゃないね」
「ほなら、『オクラホマ・ミキサー』を作った『玉置』さんて、誰なんや?別に興味あらへんけど、そこんとこをハッキリさせな話が前に進まへんさかいな」
「おお、ようようそこんとこを話させてくれるんじゃね」
「そりゃ、コッチが云いたいセリフやで」
「『玉置真吉』(たまき しんきち)さんなんよ。『ダンス王』と云われた人で、『社交ダンス必携』いうベストセラーになった本も出しとってじゃって、社交ダンスやらフォークダンスの指導者として全国を回られたんじゃと」
「おお、社交ダンスも教えてはったんか」
「ほうじゃと。でも、『玉置真吉』さんは、本当は、『真吉』さんじゃないんよ」
「また妙ちくりんなこと云い出しよるなあ」
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「(ようやく話が『オクラホマ・ミキサー』を作った人間にまで戻ってきたと思ったのに、面倒臭い奴だ)ふう」
と、ビエール・トンミー氏は、溜息を音を立てて漏らした。
(続く)
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