「(『アナザーストーリーズ』で『藤原喜明』というプロレスラーが出てきて、ああ、これがアイツが云っていた男かあと、ある種の感慨を抱いたが、何故、『藤原喜明』でそんな気持ちにならないといけないのか、とも思ったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏が、どこか騙されているような感覚に襲われていると、アイツこと、友人のエヴァンジェリスト氏が、謎めいたiMessageを送ってきた。
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「リキラリアートを正面から打ちつける『長州力』と関節技の鬼『藤原喜明』みたいな関係じゃあ、と分ったんじゃろ?」
「んん?そのセリフ、前にも聞いたような気がするで」
「そりゃ、そうよねえ。前にも云うたけえ。アンタあ、最近、ボケてきたんじゃないかあ思うとったが、まだ大丈夫じゃね。いや、『聞いたような気がする』じゃあ、やっぱりボケとるんかもしれんで」
「はあん?ワテ、最近、ボケてきとったかいな?」
「アンタあ、この前また、訊いてきたじゃねいねえ、『iPhoneで、<いえ>と入力したら、出したかった漢字の<家>が出てこんで、家の絵文字が出てきたり、<はれ>と入力したら、出したかった『晴れ』やあらへんで、お日様の絵文字が出てきたりして、間違って選択してウザいんや。何かコレを出さない技はないもんかいな?』とのお」
「ああ、犬、猫、花、ウマ、海、山、みんな、絵文字が出てきて、五月蝿いさかい出てこようにしたいんや」
「あれ、アンタあ、まだそれ云うとるん?もう2回も教えたげたじゃないねえ。例えばよおねえ、アンタあ、『家を出る』と入力したい時、先ず、『いえ』で変換するんじゃろ?」
「そりゃ、そやで」
「ほうじゃのうて、『いえをでる』と入力して変換したら、家の絵文字は出てこん思うで、と説明したじゃろ」
「ああ、せやったな。ワテは、逐一変換してたさかい、今後、文節変換にするで、云うたんやったな」
「ようよう思い出したん?アンタあ、しっかりしてえや。ワシより先に死にんさんなよ。アンタの方が、ワシより半年若いんじゃけえ(アッチの方は、ワシの方が若いんかもしれんけどのお。うふっ)。先に死なんでも、先にボケんさんなよ」
「確かにのお、ワテの方がアンサンより若いんやさかいなあ。でものお、ワテも確実に歳とってきてるで。スマホのネット記事が、読みにくいんや。パソコンに比べ、画面が小さいし、その画面の上と下に広告やらガイドが表示されて読みにくい上に、ちょっと触っただけで関係ない広告ページに画面が移ってしもうて、記事を全部読むのに苦労するんや」
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「(読みたい記事を素直に読め進めることができないのは、本当にイライラする。思うようにならないには、やはり歳をとってきているんだろうか…)」
と、ビエール・トンミー氏は、今、友人のエヴァンジェリスト氏とiMessageのやり取りをしているiPhone14 Proを、頬に苦々しさを浮かべながら、凝視めているように見えたが、股間に落としたそのiPhone14 Proの下にあるものを凝視めていたのかもしれなかった。
(続く)
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