「(もう少しで、ティッシュを使いかねないところだった。…いや、本当にそうならいいんだが….)」
と、ビエール・トンミー氏が、iPhone14 Proを持たぬ左手を離した自らの股間を項垂れるようにして見た時、
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「でも、今、アンタの部屋にあるティッシュは、『クリネックス』じゃないんよね?」
「は?なんで、そないなこと訊くんや?ワテ、ティッシュなんか使おうとしてへんかったで」
「ええ?何に使おうとしとったん?まあ、エエことにしとったげる。そこは友だちの情けじゃけえ。いやの、問題は、『エビアン』でも、『エビアン』のお風呂でも『内田有紀』でも『アグネス』でもないんよ」
「おお、そや、そや。話の本筋、しっかりしてえや」
「問題は、『スコット・ペーパー』いう会社のことなんよ」
「そや。アンサン、それなのに、話をあっちゃこっちゃ持って行くさかいなあ」
「『スコット・ペーパー』(『Scott Paper Company』)いう会社は、『E. Irvin Scott 』と『Clarence R. Scott』いう兄弟で作った会社じゃと説明したじゃろ」
「ああ、『スコット・ペーパー』は、その『Scott』(スコット)ちゅう兄弟が作った米国の会社やったな。『スコットランド』とは関係あらへん。『スコット』さんの会社いうことやろな」
「と思うじゃろ。ところがどっこい、確かに、『スコット』さんの会社いうことじゃとは思うんじゃけど、『スコット・ペーパー』は『スコットランド』と関係ありそうなんよ」
「『ところがどっこい』とは、アンサンも古いお人やなあ」
「ああ、どすこい、どすこい」
「ちゃう、ちゃう。『どすこい、どすこい』は、『相撲甚句』やで」
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「(ああ、まただ。『スコット・ペーパー』いう会社のことを話すはずが、今度は『相撲』の方に行きそうだ)」
と思いながら、ビエール・トンミー氏の脳裏には、力士が土俵で『力水』をつけてもらう時に、口を紙で拭う姿が浮かんできた。
(続く)
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