「(だけど、ボクは、『Ça va?』は、勿論、魚の『鯖』のことではなく、ただ、『サバ』と聞くと『鯖』を思い出してしまう、とちゃんと云ったんだ。でも、アイツ、それだけではないだろ、と云った。どう云う意味なんだ?)」
と、ビエール・トンミー氏が、またもや友人のエヴァンジェリスト氏に翻弄され、自らの頭部を自らの思考の光がグルグル巡るような思いに捉えられていると、エヴァンジェリスト氏から、助け船のようで、でも意味不明なiMessageが入った。
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「アンタ、『Maquereau』のこと知っとって、『鯖』云うたんじゃろ?」
「ああ、分ってもうたか。アンサンには敵わんなあ。まあ、しゃあないなあ。でも、なんで、ワテが、『Maquereau』のこと知っとって、『鯖』云うたんか、アンサンに説明させたろ」
「いやいや、そりゃ、いけんじゃろう。アンタの深謀じゃけえ、アンタ自身が説明した方がエエじゃろう」
「えっ!アカン、アカン。ワテは、アンサンも知っての通り、粋ちゅうもんを知っとる男や。自分で自慢げに説明するよな恥ずかしいことは、でけんのや」
「ああ、アンタあ、妙ちくりんな関西弁を喋るけど」
「ちゃうで、カーネンション弁や」
「それに、生れは福岡、育ちは、宇部と広島じゃけど、気質は、江戸っ子じゃけえね」
「ああ、あたりきしゃりきのこんこんちきや。ワテ、江戸っ子でんねん。やから、やっぱり、アンサンが説明したらエエがな」
「ほうねえ。仕方ないのお。まあ、アンタには説明する必要もない、当り前のことなんじゃろうけど、なんかよう分らん一般読者いう人たちもおるようじゃけえ、その人たちの為に説明しょうかいねえ」
「ああ、そうしたげたらエエ」
「『Maquereau』は、『鯖』(サバ)じゃろ。で、アンタあ、その『鯖』とフランス語の挨拶の『Ça va?』を引っ掛けてシャレにしたんじゃろ?」
「ああ、せや。そないに種明かしされると照れてまうがな」
「で、更にじゃねえ、この『鯖』、いや、『Maquereau』が、『マクド』と関係しとるんじゃったね?」
「そん通りやで。この『Maquereau』が関係して、フランスでもマクドナルドのことを『マクド』と呼ぶんや……ったな?」
「牛肉のパテの代りに鯖を焼いたんを挟んだバーガーも美味しいかも知れんような気がするけどのお」
「え?」
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「(え?フランスのマクドナルドには、鯖のハンバーガーがあるのか?)」
と、ビエール・トンミー氏は、鯖がバンズに挟まれたものを容易に想像でき、その味も口中に感じようとした。
(続く)
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