「(ボクは、『ホムセン』を無理無理に、『銭形平次』とか『大道芸人』とかと関係させようとするアイツの手に乗らないことを宣言したのに、アイツは、まさかの、『その手には乗らない』という言葉を出汁に使う手で来たんだ。アイツとは、口をきくこと自体が危険なんだ)」
と、ビーエル・トンミー氏が、一種の恐怖感から、両脇を絞って身を固くした時、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、今度は、恐怖ではなく屈辱を与えてくるiMessageが入った。
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「アンタあ、ワシに話を脱線させんさんなや。ワシ、大道芸人がアンタを手の上に乗せてジャグリングするかせんかあ、いうようなことを云うおうとしたんじゃないんよ」
「ワテかて、大道芸人のことなんか話してへんのや!」
「いやの、アンタあ、『ホムセン』云うたじゃろ?」
「それは、云うたで」
「で、『ホムセン』は、『カミセン』とも『トニセン』とも関係ないんじゃろ」
「当り前や。関係あらへん」
「それじゃったら、『ホムセン』は、『銭形平次』か『大道芸人』と関係あるんかのお、と思うたんよ」
「もう一回云うたるけど、『ホムセン』は、『ホームセンター』なんや。せやさかい、まあ、大道芸人は小道具の調達に『ホムセン』に行かんとも限らへんけど、『銭形平次』は行かへんやろ。ちゅうか、『銭形平次』は江戸時代の人間や。その頃、まだ『ホムセン』はあらへんがな」
「アンタあ、なんか無理矢理、『大道芸人』や『銭形平次』を『ホームセンター』と結びつけるのお。それに、『ホームセンター』のことを『ホムセン』と気色悪い云い方するんも止めてえや」
「ちゃうちゃう。ワテが、『ホームセンター』のことを『ホムセン』と云うてんのやないし、無理矢理、『大道芸人』や『銭形平次』を『ホームセンター』と結びつけたんは、アンサンやないか」
「いや、まだ結びつけとらんし、結びつけるんは、ちょっと無理があるじゃろ。『大道芸人』は『ナゲセン(投げ銭)』をもらうし、『銭形平次』は、悪モンをやっつけるのに『ナゲセン(投げ銭)』はするけど、どっちの『ナゲセン(投げ銭)』も、『ホムセン』とは何の関係もないじゃろ」
「なにーい!今更、何云うねん!」
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「(盗人猛々しいとは、まさにアイツのことだ!)」
と、ビエール・トンミー氏は、眼前に浮かぶ頬かむりをして北叟笑む友人のエヴァンジェリスト氏を睨みつけた。
(続く)
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