「(『ブクマ』を『池袋のクマ』かと云ってきた、ということは、アイツ、『ブクマ』のことを知らないんだな)フフ」
と、ビエール・トンミー氏は、軽く鼻を鳴らすと、アイツこと、友人のエヴァンジェリスト氏に向けて、『ブクマ』解説のiMessageを送った。
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「あんな。ネット記事を読んでたら『ブクマ』ちゅう単語が出てきたんや。『…~という投稿の内容なのだが、多くのブクマが付く中…』ちゅう記事や。せや、『ブックマーク』や。『ブクマ』は、『ブックマーク』のことやねん」
「ええー!?」
「オンドリャ! シバキあげるぞ!」
「ひゃあああ~あああ!どしたん、アンタあ!?」
「オンドリャ! シバキあげるぞ!云うてんのや。聞こえへんのかあ!」
「あんのお、アンタあ、ちょっと変でえ」
「変なんは、『ブクマ』の方や。『ブクマ』なんちゅう言葉使う輩は、シバキあげたる、云うてんのや」
「いや、『オンドリャ』は、広島弁で、『シバキあげるぞ』は、関西弁じゃあ思うんよ。広島弁と関西弁がミックスするんは、変でえ。広島のお好み焼きと関西のお好み焼きをミックスしたら、変じゃし、気持ち悪いじゃろ?」
「お好み焼きの話なんかしてへん!また、どっちがほんまのお好み焼きか、とか話をあっちゃの方に持ってことしてんのやな。そうはいかへんで」
「まあ、妙ちくりんな関西弁使うんは、アンタ、元々、エセ関西人じゃけえ、しょうがないんじゃろうけどのお」
「細かいこと、ぶちぶち云うんやないで。それに何回も云うたやろ。ワテのは、『カーネーション弁』やと。そないなことより、なんや、『ブクマ』は!『ブックマーク』と云わんかい!『ブックマーク』と。『ブクマ』ちゅう下品な言葉使う奴はアホンダラやで」
「下品いう前に、意味分らんのお」
「せや、意味分らへん。ええか、アンサンも知っての通り、ワテは、言葉を略す事に苦言を呈してきたんやけど、最初は違和感を抱きつつも、今は何にも思わん言葉もあるんや。もう云うたように、『ファミリー・レストラン』→『ファミレス』もそやし、『メンタル・トレーニング』→『メントレ』もやな」
「『メントレ』いう言葉、ワシ、知らんで。なんか『めんそ~れ』の親戚みたいじゃね」
「無視するで。『デジタル・カメラ』→『デジカメ』も、もう今は全然、違和感あらへんで」
「『デジカメ』は、デジタルの亀さんじゃないん?」
「真面目に聞きいや」
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「(何が、『デジタルの亀さん』だ!『デジタルの亀さん』なんて、それこそ意味不明じゃないか!デジタル機器を操る亀がいるとでもいうのか!)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の戯言に怒りながらも、『デジタル機器を操る亀』なるものを想像してしまっていた。
(続く)
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