2023年10月31日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その292)

 


「(いや、だけど、アイツ、あの時の『合コン』、と云ったな。あの時って、いつだ?いつのことだ?いや、そもそも…)」


と、ビエール・トンミー氏が、あの時も何も、『合コン』も何も、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の娘、『虫娘』には会ったことがないことに気付いた時、エヴァンジェリスト氏からもそのことを知らせるiMessageが入った。



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「アンタあ、そもそもワシの娘に会うたことないじゃないねえ」

「せやで。なのに、アンサンが、ワテと『虫娘』が『合コン』した云うてきたんやないか」

「そうようなこと云うとらんで。あの時の『合コン』のことを話そうとしただけじゃないねえ」

「せや、そこで『そよかぜ』云うて、『虫娘』のことを話そうとしたやんけ」

「はああ?何、云うんねえ。『そよかぜ』云うたけど、それ、娘のことじゃないじゃないねえ。『そよかぜ』は、新宿にあった『ステーキハウスそよかぜ』のことよおねえ。そこで、『合コン』したん覚えとらんの?」

「覚えとらへんで」

「『ステーキハウスそよかぜ』は、2017年に閉店したそうなんじゃけど、西新宿1丁目の『明宝ビル』の地下にあったんよ。ワシが、『新銀行東京』に行った時にゃあ、まだあったんよ」

「『新銀行東京』かあ、なんや聞いたことあるなあ。確か、『石原慎太郎』が作ったんやなかったかいな?」

「そうよね。『石原慎太郎』が、都知事の時に強引に設立したんよ。じゃけえ、『石原銀行』とも呼ばれとった」

「ああ、聞いたことあるで。『新銀行東京』て、けったいな名前やで」

「個人の感想です」

「『石原慎太郎』のデビュー作は、『太陽の季節』やったやろ?興味ないさかい読んだことあらへんけど、せやったら、『太陽銀行』にでもしたらよかったんやないか」



「そりゃ、いけんよお。あ、でも、『ホエールズ』とは関係ないけえね」


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「(『ホエールズ』?なんだ、それは?『鯨』か?『鯨』と銀行とどんな関係があるんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏は、不覚にも、鯨のようにも見える燕尾服を着た紳士が、銀行に入っていく姿を想像してしまい、頭を振って、その像を脳内から消した。


(続く)






2023年10月30日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その291)

 


「(だけどお…ボクの若い頃、『合コン』なんて言葉なかったんじゃないかなあ?まあ、言葉は別にしても、『合コン』のようなものに行ったことはあったかなあ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、自分が若い男女と酒席で歓談する姿を無理に想像しようとしていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、勿体を付けたiMessageが届いた。



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「あの時の『合コン』じゃあ、『お持ち帰り』はせんかったん?」

「あの時の『合コン』て?」

「『そよかぜ』よおねえ」

「『そよかぜ』いうたら、『虫娘』、つまり、アンサンの娘やないか?アンサンの娘、結婚前、自分の部屋に虫がいたら、別の部屋にいてるアンサンにiMessageで『虫』と一言だけメッセージを入れてきたんやろ?虫退治せえ、いう意味やったんやろ?

「ああ、iMessageが来たら、飛んで行ったけえ」

「そしたら、アンサン、『へい!』云うて、娘の部屋に行って、虫退治したら直ぐに、娘はアンサンに『早く行け!』ちゅうて、アンサンを奴隷にしてたケシカラン娘やろ?」

「確かに、ワシは奴隷じゃった」

「でも、アンサンの実家近くのおばあさんに、その娘は、『そよかぜ』さん、と云われてたそやないけ」

「ほうなんよ」

「『そよかぜ』みたいに爽やかややいうことやったんやろ?『虫娘』なのに、『そよかぜ』さんて、ちゃんちゃら可笑しゅうてヘソで茶が沸くで」

「沸かしてみんさい」

「その『虫娘』とワテが、なんで『合コン』せなあかんねん?間違うて、『虫娘』と結婚でもすることにでもなってたら、アンサン、ワテのお義父はんいうことになったんやで」



「アンタあ、妄想もいい加減にしんさいや!」

「アンサンが、『虫娘』のこと云い出したんやんか」



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「(そうだ、そうなんだ。いつもアイツの方から、話が脱線するようなことを持ち出してきておいて、脱線したのをコッチのせいにするんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に対する抗議を尖らせた口で示した。


(続く)






2023年10月29日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その290)

 


「(そうだ、そうなんだ。『マクドナルド』が、フランスでは、関西と同じように『マクド』と呼ぶこと、そして、その理由が分ったが、それがなんだって云うんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、『マクド』までの来し方を頭部の後方へと思考を遣る事に依り思い出そうとしていると、『マクド』まで連れて来た友人のエヴァンジェリスト氏から謂れなき批判のiMessageが届いたのであった。



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「アンタあ、『マクド』のことが判ったけえ、いうて、片なんか付いたと思わんでや」

「なんやてえ!それこそ、まさにこっちのセリフやないかあ!」

「ということは、アンタもまだ片は付いとらんと認識しとるんじゃね。それならエエんよ。『マクドナルド』のことを『マクド』云うんは、関西だけじゃのうてフランスでもそうじゃあいうても、『マクド』云うんはワシは好かんけど、問題は、『マクド』じゃないんよ。もう一回、云うけどのお、他の国の『マクドナルド』は知らんけど、日本の『マクドナルド』は、持ち帰りも店内飲食も同じ値段なんよ」

「そりゃ、そうなんやないか。当然やろ。…いや、おかしいで、消費税や。消費税はどうなってんねん!?せや、せや、食品は、店で買うたもんを持ち帰ったら8%で、買うた店でそのまま食べたら(イートインやな)、10%取られるんやろ」

「アンタ、そのこと、前にも云うたで」

「前でも後でもエエ、あ!これ云うたら、アンサン、また『後ろから前からどうぞ』とか、オゲレツなこと云うやろ」

「ワシ、な~んもそうようなこと云うとらんのに、そう云うんは、アンタの方がオゲレツじゃないねえ」

「五月蝿いでえ。前に云うとろうと云うとるまいとやな、食品の消費税は、店で買うたもんを持ち帰ったら8%で、イートインやったら10%やないか。なのに、なんで、『マクドナルド』は、『持ち帰りも店内飲食も同じ値段』ちゅうことになんのや?」

「アンタあ、若い頃、『お持ち帰り』が得意じゃったんじゃろ?」

「は?『持ち帰り』が得意て、何や?『持ち帰り』に得意も得意でないもあんのか?」

「惚けるんが上手いのお。アンタくらいの美貌と知性があったら、オナゴは、ホイホイと、自分の方から『持ち帰ってえ~』と云うて来たんじゃろ?」

「なんや、合コンの話かいなあ」


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「(アイツう、また、話をオゲレツに持って行こうとしている。しかも二番煎じだ。アイツ、もう『マック』の本当の『持ち帰り』に引っ掛けて、『マック』の美女店員を『Take out』とかなんとか、オゲレツ話したくせに、今度は、『合コン』での『お持ち帰り』と、似たようなオゲレツに話を持って行こうとしてる。ボクのことを耄碌したみたいに云ってるけど、アイツの方こそ、耄碌してきたんじゃないのか?)」


と、ビエール・トンミー氏は、老いて背中を丸めた友人のエヴァンジェリスト氏が、まさに二番煎じのお茶を啜る姿を想像した。



(続く)






2023年10月28日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その289)

 


(あれ?だけど、どうして、『ヒモ』くんのクルマのナンバーの話になっているんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、ふと我に返り、疑問を抱いた時、友人のエヴァンジェリスト氏から、逆に、疑問を生じさせた責任を問うIMessageが入った。



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「アンタ、『ヒモ』くんが乗っとったクルマのナンバーのこと、思い出させんさんな、云うたのに、なんねえ。ワシ、『ヒモ』くんのこと話すん、辛いんじゃけえね」

「すまん、すまん。けど、元々、『ヒモ』くんのこと話してきたんは、アンサンやないか。『ヒモ』くんは、『ヒモ』だけど、そう、『ゼゲン』やあらへん、て」

「ほうなんよ。それをアンタが、『ゼッケン』の話し出したけえ、いけんのんよ。『ヒモ』くんは、『ヒモ』じゃけど、『ゼゲン』いう意味の『ヒモ』じゃあなかった、と説明しとったのに。ええね、『ヒモ』くんの奥さん、つまり、ワシの義理のお姉さんは、会社経営もしとるし、人間的にもそりゃあ立派で優しい、凄いエエ人じゃけえね。『ゼゲン』は遊女なんかの『ヒモ』のことじゃけえ」



「あ!『ゼゲン』て『女衒』かいな?そりゃ、『ヒモ』くんは、『女衒』やあらへんかったなあ。でも、『ヒモ』くんは、そのアンサンの義理のお姉さんに、そりゃ、立派に『負んぶに抱っこ』されとったお人やったけどな」

「じゃろ。フランス語の『Maquereau』は『鯖』じゃけど、俗語で『女衒』とか『ヒモ』いう意味もあって、特に、『Maquereau』の短縮形の『mac』は、『女衒』とか『ヒモ』いう意味になるけえ、フランスでは、『mac』いう言葉はあんまり使わん方がエエんよ。じゃけえ、『マクドナルド』は、フランスでは、『Mac(マック)』云わんと『McDO(マクド)』と、関西人と同じような云い方するいうことじゃろ。この説明で合うとる?」

「ああ、そういうことやったんかあ….あ!いや、合うとるで。アンサンの説明で間違いあらへん」

「あ~あ、ここまで説明するんに、えろう時間がかかったでえ。ワシ、疲れたけえ」

「おいおい、それは、こっちのセリフやで。アンサン、ほんまにあっちゃこっちゃ話を脱線させるさかい、ワテ、振り回されて、もうヘトヘトやでえ。でも、これでようよう片がつい…あれ?」


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「(いやいや、片なんか付いてないぞ)」


と、ビエール・トンミー氏の胸の内に、疑惑の黒い雲が湧き上がってきたのであった。


(続く)






2023年10月27日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その288)

 


(『ヒモ』くんは、立派な『ヒモ』らしく『クラウン』の最上位車種の『Royal Saloon』を買ってもらい、その『クラウン』を誇っていたはずだ。なのに、アイツ、なんで、『ヒモ』くんの『クラウン』のナンバーのことで嘆いてきてるんだ?いや、そもそも、クルマのナンバーのことなんかどうでもいいんだ。そうだ!アイツとは、『ヒモ』くんが『ヒモ』だと話してたんだ。『ヒモ』だけど、そう、『ゼゲン』ではないと。なのに…)」


と、ビエール・トンミー氏が、乗ったこともない『ヒモ』くんの『クラウン』の『Royal Saloon』の回りをエンドレスに周っている感に襲われていると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、意味不明な数字のiMessageが届いた。



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「『0919』」

「は?なんや、『0919』て?『オク!イクー!』やあらへんやろな?ソレ、えろうオゲレツやで」

「なんねえ!ワシ、怒るどお!なんで、『ヒモ』くんが、そうようなオゲレツな番号を愛車に付けるんねえ!」

「あ、せやった。『ヒモ』くんのクルマのナンバーやったな。アンサンやなかった」

「ワシのクルマ(自転車)の番号は、マンションの駐輪場札に付いとる『27』じゃけえ」

「それ、いらん情報や。要するに、何なんや、その『0919』は?」

「誕生日なんよ」

「『ヒモ』くんは、9月19日生れやったんか」

「違うよおね。娘のよ。『ヒモ』くんの娘の誕生日なんよ」

「ああ、一人娘やったかなあ?」

「そうよお。『ヒモ』くんが、母親と自分とを棄てたように思うとる娘の誕生日なんよ」

「ああ、『ヒモ』くんは、65歳で熟年離婚しはったんやったな」



「個人情報になるけえ、詳しいことは云えんけど、前の奥さんとのことでは色々あったんよ。娘は、『ヒモ』くんがいけんかったと思うとるんじゃけど、本当は違うんよ。でも、真実を話すと、娘は、今度は母親不信に陥って苦しむことになるけえ、『ヒモ』くんは黙って、自分をワルもんのままにしとったんよ」

「『ヒモ』くんは、優しい人やったからなあ」

「じゃけど、その前の結婚生活と娘からの誤解が『ヒモ』くんを苦しめた、とワシは思うんよ。それで、『ヒモ』くんは、『身体表現性障害』に苦しむことになったんじゃ」

「ああ、そのナントカ障害は、肉体的にはどこも悪うないのに体が不調になる、いう病気やったなあ」

「しかも、『ヒモ』くんは、亡くなったその年にも、娘から結構キツーいメッセージをもろうとったんよ。でも、『ヒモ』くんは何も云い返さんかったんよ。クルマのナンバーを娘の誕生日にする程に好きなその娘からそんな仕打ちを受けて、『ヒモ』くんはどれだけ辛かったじゃろう…それなのに、アンタあ、なんねえ、『オク!イクー!』云うてえ!」

「お、お、おお、すまん、すまん」


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「(そう、『ヒモ』くんは、辛い半生を過ごしてきたんだ。今の奥さんが、とてもいい人で、最期は、経済的にも精神的にも幸せな『ヒモ』生活を送れて良かったけど)」


と、ビエール・トンミー氏は、笑顔でいたことしか思い出せない『ヒモ』くんの背後で揺らぐ『ヒモ』くんの影を思い、キュッと喉が閉まった。


(続く)






2023年10月26日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その287)

 


(『ゼッケン』なんて関係ないというか、最近、あまり聞かない言葉を持ち出してきて、『69』とか『1919』なんてオゲレツな『ゼッケン』のアイコラでも作るつもりなんだろう)」


と、ビエール・トンミー氏が、見事に友人のエヴァンジェリスト氏の所業を見破った時、そのエヴァンジェリスト氏から、見破り返しのようなiMessageが届いた。



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「アンタあ、なんだかんだ云うて、オゲレツな番号の『ゼッケン』でも想像しとったんじゃないんねえ?」

「は!...そないな想像、しとらんて」

「アンタあ、『ゼッケン』いうて背番号いうか、スポーツ選手がつける番号のことじゃあ、思うとらん?」

「背番号やないんか?」

「まあ、背番号も『ゼッケン』なんじゃろうけど、本来の『ゼッケン』いうんは、スポーツ選手なんかが身に着ける選手を識別する為の番号を書いた布のことをいうみたいなんよ。駅伝なんかで選手が付けとるじゃろ」



「『ゼッケン』が背番号やろうと、背番号の付いた布やろうと、そないなこと、どうでもエエやないか。結局、おんなじようなもんやろに」

「アンタあ、『メルセデス』さんと『ふか~い』関係があったけえ、本来の『ゼッケン』のことを知っとったんじゃろうけどのお。『ゼッケン』は、ドイツ語の『Decken(デッケン)』からきた言葉らしいじゃないねえ。そのことを『メルセデス』さんに教えてもろうたんじゃろ」

「また『メルセデス』はんかいな。アンサン、ほんまシツコイでえ、『メルセデス』はん、『メルセデス』はん、て。『メルセデス』はん、ちゅうか、『ベンツ』とは確かに深い関係やけど、『ベンツ』には、ナンバー・プレートにナンバー(番号)が書いてあるで。でも、そりゃ、『ベンツ』に限らんと、クルマにはナンバー(番号)は付いとるやろ」

「ああ~!」

「なんや、いきなり。叫んどんのか、嘆いとるんか知らへんけど」

「ああ~!」

「やから、何なんや?どねしたんや?」

「ああ~!『ヒモ』くんじゃあ!」

「『ヒモ』くんは、『ゼッケン』やあらへん、というてたやないか。いや、ちゃう、ちゃう。『ゼッケン』やのうて…『ゼゲ…」

「アンタ、『ヒモ』くんが乗っとったクルマのナンバーのこと、思い出させんさんなやあ!」


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「(『ヒモ』くんが乗っていたクルマって、確か、『クラウン』の最上位車種の『Royal Saloon』だったと聞いたなあ。さすが立派な『ヒモ』だ)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の次兄である『ヒモ』くんの笑顔を眼前に浮かべた。


(続く)






2023年10月25日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その286)

 


Maquereau』を略したのが『mac』だけど、それを云うと、また、話が逸れていくんだろうし…)」


と、ビエール・トンミー氏が、正解を探しあぐねていると、友人のエヴァンジェリスト氏が、その心を読んだような読めなかったようなiMessageを送ってきた。



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「アンタのことじゃ、『鯖』が『マック』食べるとか、『Mac』使う、云うたんは冗談で、Maquereau』を略したのが『mac』で、その略した『mac』いうもんが大事じゃあ、と分っとるんじゃろ?」

「え?あ…ああ、せやで。なんや、アンサン、そこんとこ分ってたんやな」

「そういうたら、ワシの『次兄』も『Mac』を使うとったんよ」

「ああ、『ヒモ』くんも『Mac』使うとりはったんやな」

「ほうよね。ワシが、『Mac』を勧めたんよ」

「『ヒモ』くんも『Mac』使うとったんが何や?『ヒモ』くんは、『鯖』とか『マック』が好きやった、とでも云うんかいな?」

「アンタあ、分っとって、態と話を混乱させるようなこと云うんじゃね。『ヒモ』くんは、『mac』と勘違いされるかもしれんけど、『mac』じゃなかったと知っとるくせにい」

「はあああ?『ヒモ』くんは、『Mac』使うてた、と云うたやないか」

「『ヒモ』くんは、『ヒモ』は『ヒモ』でも、世界に誇れる立派な『ヒモ』じゃったんじゃけえ」

「そりゃ、『ヒモ』くんが、超一流国立大学を出た頭のいい優秀な人間で、世界に誇れるような大会社にも勤められとったし、人間的にもエエお人やったことは、知っとるで」

「ほうじゃろう。『ヒモ』くんは、『ヒモ』じゃけど、『ゼゲン』じゃやいけえ」

「え?ええ?な、なんや、『ゼゲン』?」

「間違えんさんなよ、『ゼッケン』じゃないけえね」



「もうエエ加減にしいや。誰が、そないな間違いすんねや」


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「(ああ、またいつもの手口だ。『間違えるな』と云って、こちらが間違えもしないのに、間違えた方向の話に無理矢理持って行くんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、親切顔をして他人をあらぬ方向に道案内する友人のエヴァンジェリスト氏の様子を想像した。


(続く)






2023年10月24日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その285)

 


「(『Macintosh』に興味はなくはない。今の『iMac』も買いたい衝動にかられ、それを抑えるのに苦労したものだった。そこにある『MacBookAir』も格好良かったから買ったんだ。でも、MacOSに違和感を感じてほとんど(全然と言っていいだろう)使わず、結局飾りだけに終わっている。それなのに、どうしてボクは今、アイツと『Macintosh』論議をしているんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏は、魔法のランプから出てくる『魔人』のように、

ベッドサイドの本のラックにしまったままの『MacBookAir』から出てきたようにも見えたアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に向けて、根本的な疑問をiMessageで投げつけた。



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「あんなあ、『McIntosh』でも『Macintosh』でも、どっちゃでもエエんや、ワテは。なんで、アンサンとそないなこと話さなあかんねん?」

「アンタあ、もう忘れたん?『マクドナルド』は、『McDonald』で、『Mac』じゃのうて『Mc』じゃあいうことを説明してあげとって、そこから『Macintosh』の話になっとったんじゃないねえ」

「ああ、せやった。….んん?でも、なんで『マクドナルド』のこと、話してたんや?」

「しっかりしてえや。『マック』か『マクド』か、よおねえ。フランスでもマクドナルドのことを『マクド』と呼ぶんじゃあ、いうて、そこにMaquereau』が関係しとることをワシに説明させたるう云うとったのに、Maquereau』は『鯖』じゃけえ云うて、『鯖バーガー』のことやら、どんどん話を逸らしていったじゃないねえ」

「いや、逸らしたんは、アンサンやないけ」

「いい加減、フランスでもマクドナルドのことをなんで『マクド』と呼ぶんか、そこにMaquereau』がどう関係しとるんか、説明してもええんね?」

「ああ、説明せえ、説明せえな」

Maquereau』は、アイルランドの『鯖』でもスコットランドの『鯖』でもないんよ」

「そりゃ、『鯖』に国籍はないやろ」

「つまり、Maquereau』は、『Mc』の『McDonald』とも『Mac』の『Macintosh』とも関係ないんよ」

「あるとは思わへんで」

「じゃけど、Maquereau』は、『mac』なんよ」

「それは知っとるけど….は?まさか、『鯖』が『マック』食べたり、『Mac』使うたりする訳ないやろ?」



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「(アイツ、態とこちらが混乱するような云い方してくるんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、食べかけの『マック』片手に『Mac』を操作する友人のエヴァンジェリスト氏の姿を想像し、憎しみを口辺に浮かべた。


(続く)






2023年10月23日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その284)

 


「(まあ、どうして、『McIntosh』を『Macintosh』に変えたのか、といっても、どうせ、大した理由もなく、『Macintosh』の方が格好いいとか収まりがいいとか、そんな理由だったんだろう。でも、アイツは、今度はどう誤魔化してくるつもりだ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人であり、今は『敵』でもあるエヴァンジェリスト氏が放ってくるであろう次の『手』を読もうとしていると、エヴァンジェリスト氏は、先ず、搦め手からの攻撃iMessageを送ってきた。



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「アンタあ、いい加減にしんさいや。『ダスキン』はん、『ダスキン』はん、と失礼じゃろ。『Macintosh』のプロジェクトを始めて、その名付け親なんは、『ダスキン』さんじゃのうて、『ジェフ・ラスキン』じゃけえね」

「うっ…ワテ、Macには興味あらへんさかい、Macに関係した人間の名前なんか、『スティーブ・ジョブズ』くらいしか知らんし、それ以外、覚えるつもりあらへんのや」

「先客あり、いうことなんよ」

「は?先客?」

「『フランク』さんが、おったんよ」

「『フランク』さん、て誰や?どこにおったんや?」

「間違えんさんなよ、おったんは、有楽町じゃないけえね」

「『じゃない』所なんか云わんでええ。あ!『有楽町』で『フランク』…『有楽町で逢いましょう』の『フランク永井』やな、また、ツマラン展開に持ってくやないか。エエ加減にしいや」

「じゃけえ、有楽町じゃないけえね、云うたじゃろうがいねえ。『フランク永井』でも『トランク重い』でものうて、『セロ弾きのフランク』じゃけえ」



「ほんまシャーないことばっかし次々と繰り出してくんなあ。要するに、『セロ弾きのゴーシュ』やあらへん『セロ弾きのフランク』はんは、『セロ』つまり『チェロ』の奏者なんやな」

「なんねえ、アンタ、『フランク・H・マッキントッシュ(Frank H. McIntos)』さんのこと、知っとんたんねえ」

「知るかいな」

「ほうなんよ、『フランク』さんは、『チェロ』の奏者じゃったんじゃけど、音響機器メーカーも立ち上げて、その会社名を「マッキントッシュ・エンジニアリング・ラボラトリー社(McIntosh Engineering Laboratory,Inc.)』にしたんよ。その後で、会社名は、『マッキントッシュ・ラボラトリー社(McIntosh Laboratory,Inc.)』に変えたんじゃそうじゃけど、要は、もう『McIntosh』いう会社があったけえ、『McIntosh』いう名前を使う訳にはいかんで、Appleは、『マッキントッシュ』を『Macintosh』にしたんじゃと」

「なんや、そういうことやったんかあ。…え?あれ?」


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「(そうだ、そうなんだ。どうして、ボクは、Appleのパソコン『マッキントッシュ』が、『McIntosh』ではなく『Macintosh』である理由を知って、納得しているんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏は、ベッドサイドの本のラックにしまったままの『MacBookAir』へと眼を向けた。


(続く)






2023年10月22日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その283)

 


「(だけど、『三朝庵』は、閉店したのかあ。早稲田通りにあって有名な店だったんだが…)」


と、ビエール・トンミー氏が、『早稲田最老舗 おそば 三朝庵』と書かれた藍染の暖簾を思い出していると、友人のエヴァンジェリスト氏が、その暖簾をむしり取るようなiMessageを送ってきた。



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「『ヨーロッパ軒』とか『三朝庵』とか、『ソースカツ丼』か『普通のカツ丼』かとか、そうようなことどうでもエエじゃないねえ。『カツ丼』の話、いい加減にせんねえ」

「なんやて!アンサンが『カツ丼」の話、始めたんやないけ!」

「そりゃ、アンタが『ちゃんとiMessageで証拠は上ってんのや』云うて、刑事の取り調べみたいにしてきたけえ、じゃったら、まず、カツ丼食べさせてえや、と云うただけじゃないねえ」

「そやったあ!せや、せや!『ダスキン』か『ラスキン』か忘れてもたけど、そのお人が、、林檎の『McIntosh』が好きやったさかい、『Macintosh』いう名前にした、と、アンサン云うたんや。エエか、『McIntosh』と『Macintosh』とはスペルがちゃうで。アンサンの説明、説明になってへんのや。『ダスキン』はんが、間違うて『McIntosh』を『Macintosh』にしてもうたとでも云うんかい?」

「『ジェフ・ラスキン』さんは、そうような間違いはせんするじゃあないじゃろ。まあ、よう聞きんさいや。先ずの、林檎の『McIntosh』は、カナダ人の農家のJohn McIntosh』さんが見つけたけえ、そういう名前になったんよ」

「ああ、『John McIntosh』はんは、アイルランド系やったんやな。『イントッシュはんの子』いうことやな」

「それがのお、『John McIntosh』さんは、スコットランド系なんよ。確かに、『Mc』のつく名前は、アイルランド系が多いいみたいなんじゃけど、スコットランド系でも『Mc』とする場合があるらしいんよ。それにのお、『John McIntosh』さんの『McIntosh』は、『イントッシュの子』いう意味じゃないんじゃと。『McIntosh』は、元になるゲール語じゃと、『Mhic an Tòisich』で、これを英語風に読むと『Mac an Toisich』になって、そこから来とるらしいんよ。『Tòisich』は、『かしら』とか『領主』いうような意味で、an』は多分、『~の』じゃけえ、Mhic an Tòisich』は、『イントッシュの子』じゃのうて『領主の子』なんじゃと」



「また、なんかゴチャゴチャ説明しよるなあ。『John McIntosh』はんが、アイルランド系やのうてスコットランド系で、『McIntosh』が『イントッシュはんの子』やのうて『領主の子』でもエエがな。どっちゃにしても、『ダスキン』はんは、なんで好きな林檎の名前の『McIntosh』を自分が開発するパソコンの名前に付けるのに、『Macintosh』に変えてもうたんや?『John McIntosh』はんが、アイルランド系みたいな『McIntosh』いう名前やけど実はアイルランド系やさかい『Macintosh』に直したったあ、とでも云うんかい?そないな勝手なことで、エエんか!?」


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「(アイツは、いつも込み入った事情説明をして、本質を誤魔化そう、話を反らせようとするが、そうはさせん!)」


と、ビエール・トンミー氏は息巻き、想像の中ながら、腕捲りをして戦闘モードに入った。


(続く)






2023年10月21日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その282)



「(アイツ、オゲレツなくせに、時に、妙に真面目になって、しかも、コトの関係者であるかのように詳しく事情を語ってくることがある。オゲレツで来られるのも面倒臭いが、真面目にくどい説明をして来られるのも面倒臭い。どっちにしても面倒臭い男だ)」


と、ビエール・トンミー氏が、iMessageの画面上部に表示されたアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏のお惚け顔が、『François MAURIAC』を論じる時の眉間に皺を寄せた真面目顔にモーフィングしていくような感覚に襲われていると、どちらの顔の友人からか判然としないiMessageが届いた。



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「アンタあ、政治介入は好かん、云うけどのお、介入したんは、アンタの友だちじゃあいう噂のある総理大臣じゃないん?新横浜の蕎麦屋の『角平』で、あの総理大臣が好きな名物の凄い分厚いカツ丼をアンタも一緒に食べたりして、『十八銀行』と『親和銀行』が合併のことも聞いとったんじゃないん?」

「ああ、あの男か。あないな男は、ワテの友だちやあらへん。総理大臣なんちゅうヤクザな商売なんかせんと、真面目に地道にガスの検針の仕事をしたらえかったんや。あ!『カツ丼』や!アンサン、今、『カツ丼』云うたな。せや、『カツ丼』や!」



「どしたん?いきなり叫んで」

「あんなあ、ワテらが話してたんは、『ガス男』のことや地銀の経営統合のことやないんや。『カツ丼』のこと、話してたんや。『ソースカツ丼』は『早稲田』出身ちゅうことなんやろ」

「ほうでえ。アンタ、よう理解しとりんさるのお」

「『早稲田』出身の『カツ丼』は、『ソースカツ丼』だけやあらへんで。『普通のカツ丼』も『早稲田』出身なんや。『三朝庵』ちゅう蕎麦屋が早稲田にあんねん。卵でとじた『普通のカツ丼』の発祥の店や。店主が、トンカツが余って困っとったら、『早稲田大学』の学生が、卵でとじてみたらどないや、云うてくれたけえ、試してみたら評判になったんやて」

「その『早稲田大学』の学生は、関西出身やったん?」

「へ?なんでや?」

「じゃって、『卵でとじてみたらどないや』いうんは、関西弁じゃろ」

「アホンダラ!そないなことどうでもエエんや。要するに、『普通のカツ丼』も『早稲田』出身やちゅうことなんや。アンサン、知らへんかったやろ」

「でも、その『三朝庵』はもう5年前(2018年)に閉店したみたいじゃけどねえ」

「え???ほうなんか?!あ!アンサン、急いでデジタル・ハンターしたんやな」


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「(アイツー!惚けたフリして、結構、負けず嫌いだからなあ)」


と、ビエール・トンミー氏は、惚けた顔をすることも忘れ、MacBookProに向かってネット検索する友人のエヴァンジェリスト氏の姿を想像した。


(続く)






2023年10月20日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その281)

 


「(ああ、いかん、いかん。『福邦銀行』とやらが問題ではないんだ。問題は、『カツ丼』だ)」


と、ビエール・トンミー氏が、『福邦銀行』から離れようとしたが、友人のエヴァンジェリスト氏は構わず『福邦銀行』を被せてくるiMessageを送ってきた。



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「あののお、福井県には、『福井銀行』いう地銀もあるんじゃけど、『福邦銀行』は『福井銀行』と経営統合したいうか、『福邦銀行』は『福井銀行』の子会社になったんよ。じゃけえ、『福邦銀行』は『福井銀行』と実質、一つの銀行になったんよ。それぞれのブランドは残すけえ、『福邦銀行』は『福邦銀行』のままじゃけど」

「ああ、そういうことなんやな。なのに、アンサン、『福邦銀行』は『福邦銀行』やけど、もう『福邦銀行』やあらへん、と面倒臭いいうか態と誤解を招くような云い方しよって。にしても、福井県には実質、『福井銀行』しかのうなったあいうことかいな。独占禁止法上、問題にならへんのか?」

「アンタあ、さすが天下の『ハンカチ大学』商学部出身のインテリじゃねえ。そうなんよ。そりゃ、金沢に本店を置く『北陸銀行』いう広域地銀があって、福井でも商売しとるけど、福井県に本店を置く地銀は、実質、一つだけになったんよ。こうようなことは、そう、独占禁止法的にワシは、好ましゅうない思うんじゃけど、長崎でこうようなことを認めてから、青森県とか長野県とか福岡県、神奈川県なんかで県内地銀の統合が進んでくるようになっとるんよ」

「ワテはよう知らんけど、銀行も経営が苦しいんやろな」

「でものお、長崎での『十八銀行』と『親和銀行』の合併は、本来、公正取引委員会が却下するはずじゃったみたいなんよ。もっと正確に云うと、『十八銀行』と『親和銀行』の合併じゃのうて、『十八銀行』と『ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)』(つまり、『福岡銀行』)との経営統合なんよ(『親和銀行』は、FFGの子会社じゃったんよ)」

「ああ、ワテ、福岡出身いうか、転勤で福岡に住んでたこともあるさかい『福岡銀行』は知ってるで」

「『十八銀行』と『親和銀行』が合併すると、長崎県内のシェアは、政府系金融機関を除くと90%以上になるけえ、大いに問題ありで、公正取引委員会の事務総長も2018年4月25日の記者会見の質疑応答で、統合案件の個別の審査の状況に関わる質問に具体的に答えるのは適当じゃない、としながらも、『私どもとしては,FFGと十八銀行との統合については随分以前から競争上の懸念があるということはお伝えしてきております』云うて、合併に否定的じゃったんよ」

「そりゃ、せやろなあ。独占はアカン。公正な競争がないとなあ」

「マスコミも合併は承認されんじゃろう(却下は時間の問題)、いう見方じゃったんよ。長崎県内でも、県内の地銀が『ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)』の傘下に入るいうことは、長崎県が福岡県の下に位置付けられるような感じになると反対する人もおったんよ。それが、公正取引委員会は、その後の記者会見から段々、ニュアンスが変ってきて、最終的には、貸出債権を他の金融機関に譲渡することを条件にして合併を認めたんよ。政治介入があったと云われとるし、そうじゃろうと思うんよ。で、合併後、今年(2023年)の2月の帝国データバンクの発表では、合併した銀行『十八親和銀行』の長崎県内のシェは84.3%もあるいうことじゃけえ、どうなんじゃろうねえ」

「アンサンの話聞いてると頭痛うなるで。一般読者もせやろな。でも、要するに、政治介入なんか。ワテ、そないなこと好きやないねん」


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「(なんか小難しい、ややこしい話をしてきやがった。銀行の『合併』のことに話を持ってきたので、その内、人間の『合併』というか『合体』へとオゲレツ展開を見せるんじゃないかと思っていたのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏が言及しなかった『合体』を思い浮かべてしまい、その像を消すように、左右に頭を振った。。



(続く)