「(富山と福井の区別がつかない。石川、富山、福井の位置関係も曖昧だ。アイツは、プロの旅人で日本中を出張していたから分ってるんだろうが)」
と、ビエール・トンミー氏の頭の中の日本地図の北陸部分で、石川、富山、福井がグルグル回っていると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、その性格そのままの執拗なiMessageが入ってきた。
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「『福井のホテルのことなんか、どうでもエエ』はないじゃろう。『福井ワシントンホテル』は、いや今は、『ホテルフジタ福井』じゃけど、でも、最近、実際のホテル運営は、『ユアーズホテルフクイ』になっとるらしいんよ。『藤田観光』から賃貸して、フランチャイズ契約を結んで運営しとるんじゃと」
「は?なんでや?あ、そないなこと、どうでもエエ」
「あのの、『ユアーズホテル』自体は、2020年に閉館して、北陸新幹線の福井への開通に合せて、『マリオット・インターナショナル』に運営を委託して、新たに『コートヤード・バイ・マリオット福井』として、2024年の3月に開業予定らしいんよ。あ、間違えんさんなよ、『マリオネット』じゃのうて『マリオット』じゃけえね」
「『マリオット』くらい知っとるわい!」
「『ユアーズホテル』から委託されて運営するけえ、操り人形、つまりマリオネットと勘違いしとらんかあ、思うたんよ」
「バカにすんやないで。でも、そないなこと、どうでもエエんや。『マリオット』のホテルがでけても、そのナントカ亭とはな~んも関係あらへんやろ。問題は、ナントカ亭やということ、誤魔化そうとしてもあかんで」
「おお、アンタあ、やっぱり凄いのお。『佐佳枝亭』のこと、忘れとらんかったんじゃね」
「そやで。『マリオット』のホテルがでけたら、天皇はんは、今度は、そっちに泊るさかい、その和食の店の『佐佳枝亭』には行かんようになるちゅうとでも云いたいんか?」
「なんねえ、さっきからずっとナントカ亭云うとったのに、やっぱり『佐佳枝亭』のこと、知っとったんじゃね」
「知ってへんで。ナントカ亭いうたら、そら、落語家か和食の店か、せやなかったら料亭、高級旅館ちゅうとこやろ。せやけど、アンサン、カツ丼のこと話してたやろ。せやったら、カツ丼好きの落語家かカツ丼を出す和食の店ちゅうことになるやろ。料亭とか高級旅館では、カツ丼は出さへんやろしな」
「アンタあ、博識なだけじゃのうて、明晰じゃねえ。洞察力凄いのお。ワシの服の下までお見通しなんじゃろうねえ」
「アホ!そんなん、見とうないわ」
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「(あああ、アイツの体なんて!想像するだけで気持ち悪い!)」
と、ビエール・トンミー氏は、喉の奥から何かを吐き出すように、口を開け、舌を少し出すようにした。
(続く)
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